神戸市中央区のマンションで2025年8月、住人で会社員の女性(24)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕、送検された住所不定・無職、谷本将志容疑者(35)について、神戸地検は11日、殺人・ストーカー規制法違反・邸宅侵入・銃刀法違反の各罪で起訴した。 神戸地検は9月8日から3か月間、谷本容疑者の事件当時の精神状態を調べるための鑑定留置を実施し、刑事責任能力を問えると判断、勾留期限の11日に起訴となった。 起訴状によると、谷本被告は2025年8月20日午後7時20分ごろ、神戸市中央区のマンションのエレベーター内で、女性の左胸などをナイフで数回刺して殺害したなどとされる。 谷本被告は事件当日に神戸市内で凶器とされるペティナイフを購入、事件2日前から女性につきまとい行為をしたとするストーカー規制法違反罪や、マンションの玄関に取り付けたオートロックをすり抜ける手口(セキュリティ分野では「共連れ」と呼ばれる)でマンションに侵入したとされる邸宅侵入罪でも起訴した。 谷本被告は逮捕時、「殺意を持っていたかはわかりません」と供述し、取り調べでは「エレベーターの中でペティナイフを出して言うことを聞かせようとしたが、叫ばれたので刺した」と話したという。谷本被告と女性との事件前の接点はなかったとされる。 ■「娘は帰ってこない…最大限厳しい処罰を」女性の両親がコメント 女性の両親は11日、代理人弁護士を通じて「事件により私どもの生活は一変しました。裁判でどのような結果になったとしても、娘が帰ってきてくれることはなく、娘がいない日常に変わりはありません。ですが、そうであれば、せめて犯人には最大限厳しい処罰を受けてほしいというのが私どもの今の思いです」とコメントした。