押収されたノートの表紙に「クラウン」 東京・足立の11人死傷暴走

東京都足立区で盗難車が暴走して11人が死傷した事故で、車の窃盗容疑で逮捕された職業不詳の男性(37)=足立区=の自宅などから、表紙に「クラウン」と書かれたノートや車のパンフレット、スポーツカーの玩具が見つかったことが捜査関係者への取材で判明した。男性は「ハイブリッドのクラウンに乗りたかった」と供述しており、警視庁は、車に関心があったとみて、これらを押収した。 捜査関係者によると、警視庁は25日、男性宅などの家宅捜索を実施。自動車レースF1のゲームや表紙に「免許試験」と書かれたノートも見つかった。パンフレットは複数の車メーカーのものだった。男性は運転免許はあったが、車は所有していないとみられる。 暴走した車は、事故現場から約1キロ離れた車販売店で盗まれたトヨタ車「クラウン」だった。男性は店員と会話せずに車に乗っており「買うつもりもないのに、試乗したいと言い出せなかった」と供述。過去に2度この店を訪れ、免許証を提示せずに試乗を希望することもあったという。 また、事故について男性が「ガードレールや人にぶつけてしまい、最後は車が動かなくなった。事故を起こしたが、そのままにしてしまい、安全な場所に行こうと思い歩いて(自宅に)帰ってしまった」と話していることも判明した。警視庁は、刑事責任能力の有無を調べ、道交法違反(ひき逃げ)や自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いでも捜査している。【菅野蘭】

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