1995年8月30日、大阪府堺市で一人の中学3年生の命が奪われました。 被害者は一井勝(いちい・まさる)さん(15)。加害者は、隣の校区に住む16歳、15歳、14歳、そして主犯格の17歳の少年4人でした。 事件から30年を迎えた今年11月、香川県警が主催した「命の大切さを学ぶ教室」が、さぬき市の香川県立津田高校【画像(1)】で開かれました。 一井勝さんの母親・彩子さんは、生徒たちに「被害者遺族として30年間経った今も苦しみ続けている心境」を語りました。 【第1話】「それならお前を殺す」息子(15)角材で殴られ、コンクリートの塊を投げつけられ「頭がでこぼこにへこんでた」 【第2話】事件後、主犯格の少年は「警察署の玄関で大騒ぎ」いったい何故? から続く ■主犯格の少年は5年後、少年刑務所から自宅にやってきた 母親の一井彩子さんは、「逮捕された4人は家庭裁判所に送られ、審判を受けた」と言います。 主犯格の少年以外は、少年院に1年ほど収容され、主犯格は逆送されて、3年から5年の不定期刑で少年刑務所に送られたということです。 約5年後、少年刑務所から出てきたその足で、主犯格の少年とその両親が、突然一井さんの自宅を訪れ「息子のところに線香を上げさせて欲しい」という申し出がありましたが、その時は「しばらくの間は考させてほしい」と断りました。 母親の彩子さんは何日も悩んだ末、面会を受け入れることにしました。受け入れた理由について、「現実に向き合っていくべきだ」と考えたからでした。 (一井 彩子さん) 「少年事件っていうのは何も知らされない。自分の子供が殺されたのに、誰に殺されたのかとか、なんで殺されなあかんかったのかっていうことを、当時30年前は全く知ることができなかったんです」 「本当に加害者の人権だけが守られて、被害者には何の権利もないというそういう現実があったからです」 「少年院や少年刑務所から出てきても、本当に更生できているのかとか、そのあとどこに住んでいてどんな生活をしているのか全く知ることができない」 亡くなった息子のためにも現実に向き合うー彩子さんは主犯格の少年と会う大きな決断をします。