金融機関やコンビニ「最後のとりで」で詐欺阻止を 青森県警、被害拡大を受け集中警戒開始

今年の青森県内の特殊詐欺と交流サイト(SNS)型投資・ロマンス詐欺の合計被害額が13億円超と昨年(約6億2189万円)の倍以上になっていることを受け、県警は1日、金融機関などでの水際対策を強化する「詐欺ブロック!集中警戒期間」を始めた。10日までの期間中、警察官が県内のATM周辺で警戒に当たり、利用客に注意を促す。 県警によると、今年1月~11月末に認知した被害は特殊詐欺が139件で約5億1357万円。SNS型投資・ロマンス詐欺は104件で約8億811万円となっている。 犯人への送金の場となる金融機関やコンビニエンスストアは、被害防止の「最後のとりで」。県警は7月、県内に本店を置く五つの金融機関と協定を結び、官民一体で対策を進めている。実際、今年11月末までの詐欺被害阻止件数62件のうち、9割以上がこれらの施設で食い止められた。 1日は、県警の野里和保生活安全部長が青森市の青森みちのく銀行本店を訪れ、最新の詐欺の状況や手口を説明。「怪しいと感じた際は『ビデオ通話で逮捕状を示されていませんか』など、一歩踏み込んだ声かけをしてほしい」と呼びかけた。 話を聞いた同行本店営業部の三上智絵さん(42)は「『特殊詐欺じゃないですか』と尋ねると『失礼だ』と怒る人もおり、声かけの工夫を学ばせてもらった。高齢者だけでなく、若い人でもだまされると知り、より注意して対応していきたい」と語った。

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