「推してあげる」キャバ嬢に生前贈与で500万あげるともちかけ…60歳容疑者の“意表をついた手口”

キャバクラの女性キャストから100万円をだまし取った60歳の男が逮捕された。 11月27日の朝9時、送検のために警視庁新宿署の建物の中から姿を現したのは住所・職業不詳の中谷昌弘容疑者(60)だ。顔が写らないように下を向いた中谷容疑者は、薄くなった頭頂部だけを見せて歩いていた。顔を上げたあとも、報道陣のカメラからずっと顔をそむけていたのだった──。 中谷容疑者は新宿・歌舞伎町のキャバクラの女性キャスト(20代)に「生前贈与で500万円あげる。贈与税が必要で経理の都合上、先に受け取る必要がある」と言って100万円をだまし取った詐欺の疑いだ。 「中谷容疑者はこのキャバクラで高額の注文をしただけでなく、店外で女性にドレスや靴を購入して渡すなどして、お金に余裕があると女性に信じ込ませました。そのうえで『お金を持っているのであなたを推します』と言って“生前贈与”をもちかけたのです。 女性が現金を渡すと、その後中谷容疑者と連絡が取れなくなったことから警察に相談し、事件が発覚しました。中谷容疑者は『売り上げで応援してあげるとは言いましたが、お金をあげるとは言っていない』『お金を受け取ったかは思い出せません』と容疑を否認しているようです。 警察には今年の7月以降、同様の手口の被害相談が10人ほどあり、被害額は約400万円にのぼっているそうで、中谷容疑者には余罪があるとみられています」(社会部記者) ネットには〈うちの系列店でも被害があったらしく、注意喚起が出ていた〉などという書き込みもあり、同様の被害が頻出していたことをうかがわせる。 ◆夜の街の金銭トラブルでの多くはキャストが加害者側 キャバクラなどの夜の街では、女性キャストの“色恋営業”によって「大金をだまし取られた」と、うったえる男性客の話は枚挙にいとまがない。今年の3月には、有名キャバ嬢を相手取って元太客の男性が、ロマンス詐欺および結婚詐欺による3850万円の損害賠償請求の訴訟を起こしたことが話題となった。また’24年5月、結婚の約束をして約1600万円貢いだ元客が、ガールズバー経営者の女性を刺殺した「新宿タワマン殺人」もショッキングな事件だった。 今年6月から風営法で「色恋営業」は禁止となったが、キャバクラなど、夜の街の営業スタイルは基本的に“色恋”であることに変わりはない。お客がキャストの歓心を買うために財布の底をはたくという夜の街では構造的に金銭トラブルの加害者側となるのはキャストの側だ。しかし、ある事件ライターは「一概にそうとも言えない」と話す。 「キャバ嬢が客からカネをだまし取られたという話はけっこう聞きます。某有名キャバ嬢がテレビで『投資詐欺で2000万円だまし取られた』と話していましたが、実際に投資詐欺の話は多いです。キャバ嬢の稼ぎもピンキリですが、稼いでいて投資に興味がある人は結構いるので、あえてキャバ嬢を狙って近づく例もあるそうです。あと多いのは芸能スカウトを名乗る詐欺でしょうか。 今回の事件のように、お金を渡すと言って、それにかかる税金という名目でお金を払わせるのは、少し前に特殊詐欺などでよくあった手口です。でも、対面でやるのは珍しいですね。少し知識があれば『お金をもらう前に贈与税を先払いする』というのは明らかにおかしな話だと気づきますから」 才覚さえあればその身一つで大金を稼ぐことができる夜の世界。そのカネを目当てに近寄ってくる輩も多いようだ。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit

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