複数の企業が被害にあった山形銀行装う不正送金詐欺 「出し子」とみられるベトナム国籍の男を逮捕 山形鉄道の被害額は1億円超え

今年3月、山形銀行を名乗るウソの電話で県内の複数の企業が不正送金の被害にあった事件に関わったとして、県警が36歳のベトナム国籍の男を逮捕したと発表しました。 男は、被害金を引き出す「出し子」とみられ、警察は組織的な犯行とみて、全容解明に向け調べを進めています。 窃盗の疑いで逮捕されたのは、ベトナム国籍で大阪府の無職の男(36)です。 県警によりますと、男は、今年3月、不正に入手したキャッシュカードを使い大阪市内の金融機関で350万円を引き出し盗んだ疑いがもたれています。 県内では今年3月、山形銀行を名乗るウソの電話でメールアドレスを要求し、会社情報やネットバンキングの契約者情報をだましとって口座から金を不正送金する詐欺が複数確認されました。 県警が被害にあった金の流れを調べ、防犯カメラの映像を解析するなどしたところ 男が犯行に関わった疑いが強まったということです。 男は、今回の事件でだまし取った金を口座から引き出す「出し子」とみられています。 ■山形鉄道が1億円の被害に 今年3月に確認された不正送金の詐欺被害ではフラワー長井線を運行する山形鉄道が1億円を超える被害にあったことが確認されています。 警察によりますと今回の男が逮捕されたのは山形鉄道ではなく他の県内企業の金を引き出した容疑だということです。 県警は、一連の犯行は組織的なものだったとみて、共犯者について捜査するなど事件の全容解明に向けて調べを進めるとしています。 ■法人口座狙った不正送金被害相次ぐ 今回の手口はボイスフィッシングと呼ばれるものです。県警によりますと、去年から法人口座を狙った不正送金被害が相次いでいるということです。 番号が「+」から始まる国際電話や非通知からの電話、電話中にメールアドレスを聞かれ、リンクなどが送られてきた場合などはニセモノの可能性が高いため、注意が必要です。 また、インターネットバンキングを使うときには、メールに記載されているリンクからではなく、銀行の公式サイトからアクセスすることが対策になるということです。

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