紛争の渦中にいる人々や自然災害が起きた地域のニュースは毎日頻繁に報じられているが、犠牲者の数や政府の対応などを聞くだけでは、現地で実際に何が起きているかを想像することは難しい。 『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』は、私たちがなかなか知る機会のない軍政下のミャンマーの日常や、民主化のために懸命に生きる現地の人々の情熱と苦悩を伝えてくれる一冊だ。著者の西方ちひろさんに、軍事クーデター発生後の知られざるミャンマー現地の状況や、本書に込められた思いについて話を聞いた。 「紛争地の住民」と聞くと、恐怖に打ち震え、悲しみに暮れる「か弱き人々」という印象を持つかもしれない。だが本書『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』(ホーム社)に登場する人たちが軍事政権に立ち向かう姿はたくましく、鮮やかだ。