青森市合浦1丁目の住宅で11月、夫婦が刺殺された事件で、県警捜査1課と青森署は9日、父親への殺人容疑で、長男(34)を再逮捕した。県警は容疑者が父親の就寝中に襲ったとみている。容疑者は母親に対する殺人容疑で11月に逮捕されていた。 再逮捕容疑は、11月18日未明、自宅で父親の金本直人(ただし)さん(71)の背中などを包丁で刺し、殺害した疑い。遺体には背中や胸などに三十数カ所の刺し傷や切り傷があった。遺体は1階廊下で発見されたが、県警は2階の直人さんの寝室が犯行現場だったとみている。 現場の住宅では、1階廊下や浴室、2階へ続く階段、2階廊下、さらに直人さんの寝室にも血痕が残されていた。 同日午前7時50分ごろ、容疑者が「両親を殺した」と自ら110番通報し、事件が発覚した。1階浴室で発見された母親の美羅さん(61)は、その場で殺害されたとみられ、遺体には二十数カ所の傷があった。県警は現場や遺体の状態などから、殺害から数時間後に通報したとみている。 県警は2階の容疑者の部屋から、血の付いた文化包丁1本(刃渡り約18センチ)を押収。包丁は以前から自宅の台所にあったとされる。 過去に警察に対し、容疑者に関する相談が寄せられており、県警は家庭内で直人さんとの衝突が多かった容疑者が不満を募らせ、犯行に及んだとみている。