ノーベル平和賞受賞のマリア・コリーナ・マチャド、授賞式への出席叶わず

ノルウェー国営放送NRKによれば、ノーベル平和賞受賞者のマリア・コリーナ・マチャドは授賞式に出席せず、みずから賞を受け取らない見通しであると、ノーベル研究所が米国時間12月10日に明らかにした。ベネズエラの野党指導者であるマチャドは、2024年に実施された自国の選挙以来、逮捕の脅威に直面しながら身を隠すことを余儀なくされている。 ノーベル研究所はプレスリリースで、マチャドは「授賞式に来るためにできる限りのことを行ってきた」が、授賞式には「間に合わない」と述べた。 ノーベル賞授賞式は米国東部時間9日午前7時に開始された。 ノーベル研究所は、マチャドは「極度に危険な状況」にある中でオスロに向かったが、彼女は安全であり「オスロで我々と共にいる」と説明した。 プレスリリースの少し前、ノーベル研究所のディレクター、クリスチャン・ベルグ・ハルプヴィーケンはNRKに対し、9日の夜までマチャドが式典に出席できるという希望を捨てていなかったと述べた。 ハルプヴィケンは、マチャドの現在地を知らないとし、「それには十分な理由がある」と述べ、ニコラス・マドゥロ政権は抑圧的であり、「野党に対してあらゆる手段を使う意思がある」と指摘した。 マチャドの娘であるアナ・コリーナ・ソサ・マチャドが、代理として賞を受け取り、スピーチを行う予定である(日本版注:米国記事執筆後、予定通りアナ・コリーナ・ソサ・マチャドが授賞式に代理出席した)。 「母は15カ月にわたり、絶え間ない殺害予告の下で身を隠して暮らしてきました。私は今日、母がどこにいるかも分からず、私たちはほぼ2年間会っていません」と、現在ニューヨークに住むアナは先週NRKのインタビューで述べた。 ノーベル研究所はマチャドがオスロに向かっていると発表したが、到着日については明記しなかった。また、マチャドがオスロ到着後に公の場へ姿を見せるかどうかも不明である。ベネズエラの野党指導者である彼女が最後に公の場に姿を見せたのは1月で、マドゥロが2期目の就任宣誓を行う前日に、カラカスで支持者らと会った時である。さらに、マチャドがどのようにオスロへ移動しているのかも不明である。ベネズエラ当局は彼女に渡航禁止措置を課しており、出国すれば逃亡者と見なすと警告している。 マチャドは10月にノーベル平和賞受賞者として指名された後、初めての公の声明でトランプを称賛した(トランプは、数年間にわたり自身の受賞を訴えていた)。マチャドはXへの投稿で、この賞は全ベネズエラ国民の闘いの象徴だと述べ、「私たちは勝利の瀬戸際にあり、今日ほど米国のトランプ大統領、中南米諸国、そして世界の民主国家を、自由と民主主義を実現するための主要な同盟者として頼りにしている時はありません。この賞を苦しみ続けるベネズエラの人々と、私たちの大義に決定的な支援を与えてくれたトランプ大統領に捧げます」と書いた。それ以来、彼女とその支援者らは、マドゥロの退陣を目的とした米国のベネズエラ軍事介入への支持を表明している。

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