米国・WWEのレジェンドで日本では「カクタス・ジャック」のリングネームで知られるミック・フォーリー(60)が、自身のインスタグラムのストーリーで同団体との関係を絶つと発表した。WWEとドナルド・トランプ米大統領の親密な関係が原因だという。 フォーリーは「私は、この国を独裁政治へと導く、思いやりを全く感じさせないような人物をおだてるような企業を、もはや代表したくはない。昨夜、私はWWEタレントリレーションズに、この人物が在職する限り、同社のイベントには一切出演しないと伝えた」などとポスト。かねて殿堂者はトランプ大統領に批判的な立場を取ってきたが、引きがねとなったのは映画「スタン・バイ・ミー」の監督で知られるロブ・ライナー氏の刺殺事件だという。 同氏は14日(日本時間15日)、ロサンゼルス市内の自宅で妻とともに刺殺体で発見された。この事件で息子のニック・ライナー容疑者がロス市警に逮捕されたが、トランプ大統領はSNSに「彼はまるで錯乱した人のようになってしまった。『トランプ錯乱症候群』だ。だから、私は全くロブ・ライナー氏のファンではなかった。彼はこの国にとって非常に悪い存在だと思っていた」などと投稿し、物議を醸していた。 これにフォーリーも激怒。「私は数か月間、WWEとドナルド・トランプ氏の親密な関係について懸念を抱いていた。特に、トランプ政権が移民に対して残酷で非人道的な扱いを続けていることを考えると、ロブ・ライナー氏の死を受けて大統領が発表した、信じられないほど残酷なコメントを読んだことで、私はついに我慢の限界に達した」としている。 フォーリーは、危険なデスマッチを得意とするハードコアファイトで一時代を築いた。WWEでは最高峰のWWE世界ヘビー級王座も獲得。現役引退後もコミッショナーやロウのGMとして、WWEを支え、2013年には殿堂入り。その後もレジェンドとして登場してきた。 だが、現在WWEと結んでいる「レジェンド契約」は、来年6月の契約満了に伴い、以降は更新しないと明言。トランプ氏との関係が続く限り、WWEとの関係を断絶するという。フォーリーはWWEに感謝を記しつつ「ポパイの言葉を借りれば『我慢の限界だ、これ以上は耐えられない』」としている。 トランプ氏とWWEはかねて密接な関係にあり、自身も度々番組に出演した。今年8月にはWWEでCCO(最高コンテンツ責任者)を務めるトリプルH(ポール・レベック氏)がホワイトハウスを訪れ、トランプ氏の会見に同席していた。