若者で構成された薬物密売グループが薬物の販売をビジネスとして繰り返していたとして、グループのメンバーや客などが相次いで逮捕された事件。富山地検は22日、グループの主犯格の男を、薬物事件では重いとされる麻薬特例法違反の罪などで起訴しました。 麻薬特例法違反などの罪で起訴されたのは富山市の無職・小沢亜瑠(こざわ・ありゅう)被告(21)です。 起訴状などによりますと、小沢被告はことし4月から8月にかけて10代の少年と共謀し、富山県または福井県などで複数人に対しビジネスとして大麻やMDMA、コカインなどの違法薬物を売り渡したとされています。 小沢被告は10代から20代で構成された薬物密売グループのリーダーで薬物の仕入れや密売人への指示を行っていたとみられ、捜査関係者によりますと、少年らを使って多くの人に薬物を売りさばく組織的な態勢を構築し、多額の収益を得ていたとみられています。 ■若者の薬物密売グループ 犯行の実態は… 薬物売買の拠点として、交通アクセスが良い富山市内の倉庫を利用。小沢被告は、その周辺で少年らに密売取引をさせていました。 取引役の少年らが使えなくなった際は、別の人物を通じて新たな少年を勧誘し薬物取引をさせていたケースもあったとみられます。 富山市内の倉庫からは、一定量ごとに小分けにされた薬物の袋が見つかっていて数多くの客への受け渡しに使われていたとみられます。 人目がつきにくい黒部市内の家屋は、薬物の保管場所として利用されていました。 少年の中には、秘匿性の高いアプリで1日に10人以上とやりとりし、10万円以上売り上げたケースもあったということです。 ■最大「無期」 裁判員裁判で事件の全容解明へ 一連の事件をめぐって小沢被告は麻薬取締法違反などの3つの罪で起訴されていましたが、富山地検は今回、法定刑で最大「無期」もある麻薬特例法違反を適用し、起訴した形です。小沢被告の公判はすでに始まっていますが、今後、裁判員裁判で審理されることになります。