人身取引の被害で保護された12歳少女の母親、タイへ送還、訴追へ

東京の「マッサージ店」で働いていたタイ国籍の当時12歳の少女が人身取引の被害者として保護された事件をめぐり、台湾の入管施設に収容されていた少女の母親(29)が23日、台湾から母国タイへ向け送還された。今後、タイで取り調べや訴追が行われる見通しだ。 母親は今年6月に少女とともに来日し、7月に少女を残して日本から出国。少女は9月、東京出入国在留管理局を訪れ「タイに帰りたい」と訴えて保護された。台湾当局などによると、母親は10月下旬に台湾で売春に関わった疑いで警察当局に拘束され、入管施設に収容されていた。日本の警視庁とタイ警察はそれぞれ母親の逮捕状を取得し、双方で今後の捜査方針について協議を進めていた。 母親は23日夕、バンコクの国際空港に到着する予定。タイ警察によると、身柄は中央捜査局に送られ、人身取引犯罪を扱う部門が捜査を担当する。自身の未成年の子供を巻き込んだ罪は重く、最大で拘禁刑20年が科される可能性があるという。 少女については、日本とタイの関係機関が早期帰国に向けて協議。タイ政府で子供の福祉などを担当する社会開発・人間安全保障省によると、年明けにも同省の大臣らが訪日し、少女の引き渡しを受け、帰国させる予定だという。(バンコク=武石英史郎、台北=高田正幸)

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