近年増加傾向にある大麻、覚せい剤などの密輸防止を目的とした「不正薬物密輸入防止啓発活動」が24日、奄美市笠利町の奄美空港であった。奄美海上保安部、奄美署、鹿児島税関支署名瀬監視署の三機関が合同で実施。リーフレット約200部を配布し、不審船などの「情報提供」を呼び掛けた。 合同啓発活動は、2022年に初実施し今年で3回目。都市部から地方への人の流れが活発になる年末の時期に合わせ行っている。 職員らは空港到着ロビーで、「密輸 情報提供求む」と書かれたリーフレットを配り、「不審な船や人物を見かけたら118番(海保緊急通報電話)をお願いします」と協力を呼び掛けた。 各機関のマスコット(海保「うみまる」、奄美署「カケルくん」、税関「カスタムくん」)も啓発に一役。小さな子どもたちと触れ合い、周囲の関心を高めていた。 奄美海保の岡江公男専門官は「最近は〝瀬取り〟(船から船へ荷物を移し替えること)による密輸が増えている。手口も巧妙化しており、関係機関が連携を図り水際対策を厳正に行っていく」と話した。 海保では、一般市民からの情報が密輸事件の検挙に役立っているとして、▽夜間、無灯火で航行・停泊している船舶▽深夜・早朝に海岸付近をうろつく人物▽不審な荷卸し―などを目撃した場合、通報するよう呼び掛けている。 奄美群島では2016年2月、徳之島を舞台にした大規模な覚せい剤密輸事件が発生。漁船で運び込まれた約100㌔をレンタカーに積み、フェリーで鹿児島へ運ぶ手口によるもので、暴力団幹部ら7人が逮捕されている。