広島県警福山西署は25日、福山市の60代女性が、警察官をかたる男らに現金1億4300万円をだまし取られたと発表した。特殊詐欺事件として捜査している。 署によると9月6日ごろ、金融庁職員と「原宿警察署」の警察官を名乗る男2人が女性宅に電話。「あなた名義の携帯電話が不正に契約され、逮捕状が出ている」と伝えてきた。 その後、検察官という男も加わって電話でのやりとりが続き、10月1日ごろに男らは「資産に犯罪収益が混入していないか確認するため、現金を預かる」と受け渡し場所を指示。女性は同10日から11月13日までに計6回、市内の駐車場や路上で金融庁職員を名乗る男3人に現金を手渡した。 6回目の後、男らと連絡が取れなくなり、不審に思った女性が金融庁と警視庁原宿署に相談して詐欺事件と判明した。 広島県警によると、県内で起きた特殊詐欺事件では過去3番目に多い被害額。福山西署は「警察官や検察官が調査名目で金銭を要求することはない。犯人は『逮捕』や『捜査』といった言葉で不安をあおる。そうした電話があればすぐに110番を」と呼びかけている。