中国残留孤児2世を中心に構成される準暴力団の「怒羅権」の創設メンバーの一人とされ、強盗致傷の罪に問われていた汪楠(ワン・ナン)被告に、東京地裁は懲役13年の判決を言い渡した。刑務所の受刑者に本を送る活動を手掛け、メディアにも積極的に登場して更生をアピールしてきた汪被告だったが、古巣の刑務所へと再び戻ることになりそうだ。 【実行犯は返り討ちで死亡】 汪被告は、2023年3月に発生した東京都豊島区東池袋のマンションにおける緊縛強盗事件の首謀者として逮捕・起訴された。この事件では、ガス点検を装った作業服姿の5人組の男が現場に押し入り、そこにいた中国籍の40歳代男性と30歳代女性の両手足を結束バンドで縛り、ナイフを突きつけて脅したうえ、現金計約109万円や携帯電話など約153万円相当の物品を奪ったとされる。 緊縛強盗という犯行の凶悪性もさることながら、実行犯のモンゴル人の男は被害男性との揉み合いで首を刺されて死亡するなど凄惨を極めた事件で、汪被告は実行犯を集め、計画の立案などに関わったとされていた。司法記者が語る。 「汪被告は23年10月に警視庁に逮捕され、公判でも一貫して犯行を否認していました。しかし、汪被告が事件前に実行犯らに『中国人が詐欺まがいをして集めた金がある』『ちょっと脅せば金を出す』と述べていたという証言が公判で明らかになりました。 汪被告は事件が起きるとは認識していなかったといった主張をしていましたが、犯行直前にガス点検を装う偽のチラシを用意して実行犯らに渡していたこともあり、判決では『犯行を主導する立場にあり、非常に重要な役割を果たした』として主犯認定のうえで重罪判決に至りました。 今回の事件の最大の狙いは、被害者が保有していたとされる2億円分相当の暗号資産で、もしパスワードを聞き出して入手できていればより重い判決になったことでしょう。実行犯は、汪被告と同世代の40~50代で同じ東京・江戸川区出身の者もいて、地元の腐れ縁のワル仲間に犯行をもちかけたとみられます」(司法記者) 【警察は窓ガラスから突入し逮捕】 逮捕前の汪被告は、テレビのドキュメンタリー番組や討論番組に出演して改心をアピールして怒羅権の解散を求めたり、自身の不良体験を振り返ったうえで教養の大切さを学んだとして、受刑者に本を送る活動をするなどしてきた。しかし、隠してきた牙はいまもなお鋭かった。 「逮捕時、警察は汪被告の抵抗に備えて、汪被告方の窓ガラスを突き破って突入するという荒業に打って出ました。暴力団相手でも身柄を取る時は、とりあえず正面からインターフォンを鳴らすのが普通ですが、派手に抵抗することも予想されたため、急襲する形となったのでしょう。また汪被告は逮捕後の取り調べにおいて、逆上して警察のプリンターを破壊しており、公務執行妨害罪と器物損壊罪でも立件されました」(前出記者) 怒羅権創設者を自称し、メディアに登場してきた汪被告だが、内部の評価は低かったようだ。半グレ事情に詳しいA氏が語る。