東京都文京区の「マッサージ店」で働かされ、人身取引の被害者として日本で保護されていたタイ国籍の当時12歳の少女が26日、タイに帰国した。関係者への取材でわかった。日本やタイの関係機関が早期帰国に向けた調整を進めていた。日本の関係者によると、帰国後はタイの保護施設などで生活する予定という。 少女は母親(29)とともに6月に来日したが、その後、一人取り残されていた。店側が借りた部屋で寝泊まりしながら働かされ、入国から約3カ月後の9月に東京出入国在留管理局を訪れて保護された。少女は「タイに帰りたい」「(タイの)学校に通いたい」などと訴えていた。 母親は少女を残して出国した後、10月下旬に台湾で売春に関わった疑いで拘束され、入管施設に収容された。12月23日、台湾からタイに送還され、15歳以下の子どもに性的行為をさせ、人身取引をしたとする容疑でタイ警察に逮捕された。 タイ警察によると、逮捕時に容疑を否認したが、その後の調べに対し、少女を働かせるために「マッサージ店」に連れて行った、などと容疑の一部を認める供述をしているという。