高級腕時計を預託者からだまし取ったとして、警視庁に詐欺容疑で逮捕されたシェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社元代表らが、預かった腕時計約2300本を売却するなどして約18億円の利益を得たうえ、オンラインカジノの口座に約8億円を送金していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁は同日、運営会社「ネオリバース」の元代表、福原敬済容疑者(44)と元社員、中山大志容疑者(44)を送検した。 ネオリバース社は令和3年3月~5年12月、少なくとも全国約650人から腕時計をだまし取ったとみられ、6年1月に解散とサービス終了を発表。福原容疑者は同月、アラブ首長国連邦(UAE)に出国していた。 捜査関係者によると、同社は事業を終了した時点で、5億円以上の赤字を抱えていたという。解散直前の5年11~12月には、預託者を募るキャンペーンを行っていたが、福原容疑者は同時期の5年11月にパスポートを申請していた。 会社の資金繰りに行き詰まる中で海外逃亡の準備を進め、その前にできるだけ腕時計をだまし取って売却しようとした疑いがある。 同社はオンラインカジノのほか、暗号資産(仮想通貨)購入にも売却益の一部を充てていたとみられ、警視庁は、使途の解明を進める。