マドゥロ氏を拘束したトランプ氏、同様の薬物犯を1カ月前に恩赦…「公平性がない」米政界で論争(1)

米国のドナルド・トランプ大統領が軍事力を動員してベネズエラ大統領を追放したことを巡り、国際社会はもちろん、米政界でも賛否両論が激しくなっている。 特に、トランプ大統領が先月、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と類似の麻薬密売容疑で有罪判決を受けていた元ホンジュラス大統領を直接恩赦したという点で公平性を巡る論議も起きている。逮捕されたマドゥロ氏は、5日(現地時間)に初めて出廷する予定だ。 ◇「麻薬取り締まりではなく戦争…議会の承認がなかった」 野党である民主党は、議会の承認なしにトランプ大統領が軍事作戦を展開した点について猛烈に非難した。ハキーム・ジェフリーズ民主党下院院内総務は4日のNBCインタビューで、「今回の件は単なる麻薬取り締まり作戦ではなく戦争行為だった」とし、「憲法に基づき、宣戦布告およびこれに関連する行動を承認する権限は、唯一議会だけに存在する」と主張した。 チャック・シューマー上院院内総務も「マドゥロは恐ろしい人物だ」としながらも、「だからといって、不法をまた別の不法で扱ってはならない」と指摘した。その上で「米国は、このような方式の政権交代と国家建設を試みるたびに米国人が血とお金で代償を払ってきたということを長年にわたり学んできた」と付け加えた。 MAGA(米国を再び偉大に)の中核に分類されていたが、「エプスタイン・ファイル」公開の局面で「裏切り者」の烙印を押された共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員も、「本当に麻薬カルテルから米国人を保護するのが目的だったなら、トランプ政府はメキシコのカルテルを攻撃すべきだった」と述べた。トランプ大統領が問題にしているフェンタニルの主な流入経路は、ベネズエラではなく中国とメキシコのルートである点を指摘した言葉だ。 一方、下院司法委員長である共和党のジム・ジョーダン議員はCNNに対し、「逮捕状が発付された悪党を法の裁きの場へと連れてきたもの」とし、「トランプ大統領は米国人にとって最善の利益のための決定を下したと信じている」と語った。上院情報委員長のトム・コットン議員は、政権追放後に親米政権を誕生させた1989年のパナマ侵攻作戦に言及し、「我々が望むのは、我々の裏庭(中南米)での安定と秩序、繁栄に寄与する未来の親米的なベネズエラ政府だ」と主張した。 ◇「麻薬密売」を恩赦しておきながら…類似の容疑で逮捕 トランプ大統領がマドゥロ氏を麻薬密売容疑で逮捕したこと自体が矛盾しているという批判も提起された。 ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、米司法省がマドゥロ氏を起訴する際に適用した麻薬関連の容疑は、先月トランプ大統領が恩赦した元ホンジュラス大統領のフアン・オルランド・エルナンデス氏の容疑と事実上同一だ。彼は麻薬密売組織と結託し、コロンビアやベネズエラなどの麻薬を米国に送った容疑などで起訴され、昨年6月に懲役45年の刑を言い渡されて収監されていた。 ところが、トランプ大統領はエルナンデス氏をわずか1カ月前に恩赦によって釈放した。さらに、二つの事件はいずれも2010年から米麻薬取締局(DEA)内の同じチームが捜査を担当しており、起訴した主体もニューヨーク南部連邦地方検察庁で同一だ。 このため野党側では、トランプ大統領が同一の容疑が適用された2人の人物に対し、1人は恩赦し、もう1人は軍事力を動員した逮捕作戦を指示するという矛盾を自ら招いたという主張が出ている。 トランプ大統領は3日の会見で、このような矛盾した状況に対して質問を受けると、「私が恩赦したあの男(エルナンデス)は、バイデン政権がトランプという名を持つ人間を扱ったのと似たような扱いを受けた」とし、「彼は非常に不当に迫害された」と答えた。 マルコ・ルビオ国務長官は同日、ABCのインタビューで関連の質問を受けると、「私はエルナンデスの恩赦決定に関与していない」と述べ、立場表明を拒否した。

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