昭和天皇在位60年記念銀貨、過去にも偽造品が流通 大手銀行避け地域金融機関を狙ったか

偽造した昭和天皇在位60年の記念銀貨を本物と偽って金融機関で両替したとして、偽造通貨行使の疑いで中国籍の会社役員ら4人が逮捕された。この銀貨を巡っては、これまでもたびたび偽造品の流通が確認され、財務省などが注意を呼び掛けていた。警視庁などの合同捜査本部は入手ルートの解明を進めるが、通常の貨幣と金融機関での取り扱いが異なる記念硬貨が標的にされた可能性があり、対策が求められている。 ■本物より光沢なく白っぽい特徴 今回、確認された偽造品は本物に比べて光沢がなく、白っぽく見えるのが特徴。使用されたのはいずれも地域の信用金庫や農業協同組合などで、大手の銀行はなかった。偽造通貨行使の容疑で逮捕された中国籍のシュエ・ジーウェイ容疑者(36)は手続きの際、日本人の偽名を使い、持ち込んだ偽造銀貨をその場で現金化していた。 この偽造銀貨について、財務省は昨年12月、国内で4月以降に300枚の偽の一万円銀貨が見つかったと発表し、偽物の疑いのあるものを見つけたら警察や日本銀行などに相談するよう注意喚起していた。偽物の疑いのあるものについて、同省は平成25年に46枚、28年にも約250枚が見つかったことを明らかにしている。 ■記念硬貨の両替は窓口対応 偽造券対策を専門とする民間研究機関「偽造通貨対策研究所」の遠藤智彦所長は「偽造紙幣はATMで両替する際などに検知されることがある一方、記念硬貨の両替は窓口対応になるため、気づかれにくいと考えたのではないか」と指摘。「チェック体制の手厚い大手の金融機関ではなく、地域の信用金庫などが狙われた可能性もある」と話す。 刑法では、偽造通貨行使罪は無期または3年以上の拘禁刑と定められており、量刑は重い。遠藤所長は「金融機関も古い記念硬貨などを扱う際、両替する前に鑑定のためにいったん預かるなど、対策の徹底が求められるのではないか」と警鐘を鳴らした。(海野慎介)

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