れいわ新選組の多ケ谷亮衆院議員は9日、国会内で会見し、超党派国会議員団の1人としてイスラエル訪問をしたことに、党方針とは異なるとして党内や支持者などから批判が出ていることについて、経緯を説明した。党には渡航について事前に相談しておらず「最終的に私個人の判断、責任で決断した」と釈明した。 今回の渡航は、イスラエル政府の招待。訪問団は6日にエルサレムでネタニヤフ首相と面会。その際の写真は、イスラエル側から発信された。れいわは、イスラエルのガザ攻撃を一貫して強く非難している。今回、党側は多ケ谷氏の参加を事前に把握しておらず、8日の帰国後に事実確認を行った。 多ケ谷氏は、ネタニヤフ首相との面会は「事前に表敬訪問という説明を受けておらず、単なる面会との認識だった」とし、「ジェノサイドに関する質問もぶつけたかったがかなわず、私は端で聞くだけだった。外交上の問題にもなるため、私から口を挟むことはできなかったのは残念」とし「成果はまったくのゼロだった」と述べた。 その上で、自身の訪問は「特定の政府や政策、軍事行動を指示する目的でも、イスラエルを支持するためのものではない。れいわ新選組が一貫して掲げてきた、対話と外交を通じて紛争を解決すべきという理念に基づき、現地の状況を直接確認し、当事者の声を聴いた上で今後の国会での議論や判断に生かすためだ」と述べた。 イスラエル側の議員や関係者に、ガザ侵攻をめぐり「国際社会で問題視されている点を率直に質問した。現場を知り事実を確認し、本質的な問題を追及することが政治家の責任だ」とも主張。一方で、「誤解や批判を招く可能性や、政治的に利用される恐れは十分認識していた」「(結果的にイスラエル側に)利用された形になったことは反省している」とも口にした。 自身の行動は、団長を務めた自民党の小野寺五典・安全保障調査会長らの日程とは「一線を画していた」とも主張。「さまざまな批判や疑問の声があるのは当然だが、現地に赴いたからこそ今後の活動に役立つと確信している」と述べた。 れいわでは、国会閉会中の海外渡航は事前の許可が必要ないという。国対の事務局にも報告したが同様の説明がなされ「間違ったことをした感覚はない」としつつ、「ナーバスな問題を抱えている所に行くので相談しようと考えたが、党が知った上で自分が渡航し政治利用されたら、党の責任になる。自分で解決すればいいと思い、あえて党には伝えなかった」と述べた。 そもそもの訪問の打診は、訪問団の1人、自民党の大岡敏孝議員から、高校の同窓生でもあるれいわの高井崇志幹事長に、飲み会の場で「中東地域」への超党派議員団の訪問という形での打診が発端という。会見に同席した高井氏は「都合がつかない」として断ったと述べたが、大岡氏から多ケ谷氏に話が回ったといい、高井氏は「私としては(事前に)相談をしてほしかった」と述べた。立憲民主党など他の野党は参加を見送っており、高井氏は「れいわは、お恥ずかしながらそうはならなかった」と陳謝した。 一方、海外渡航の際の事前報告に関して明確なルールが党になかったとして、高井氏は「党のガバナンスがなっておらず、おわびしたい」と謝罪。また、多賀谷氏に対する処分については今後、党の規約に基づいて聞き取りを行い、党倫理委員会にはかるか、また処分をするかどうかの是非も含めて、今後検討する考えを示すにとどめた。 訪問団は4日に日本を出発、2泊4日の日程で現地を回り、8日に帰国した。ネタニヤフ首相をめぐっては2024年、ガザ攻撃をめぐり、人道に対する罪や戦争犯罪の容疑で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されている。