一般的に、外国籍の人が日本で働くには、在留資格が必要だ。主な在留資格は「専門的・技術的分野」などで、約230万人が在留している(2024年10月末時点)。残念ながら、不法就労の問題はなくならない(全8回の5回目)。 * * * ■イベントに集まったベトナムの若者たち 「さあ、法律クイズはどんどん難しくなりますよ!」 2025年11月30日、東京・六本木で開催された「日本におけるベトナム人労働者の日」にはベトナムの若者ら約400人が集まっていた。「日本法律クイズ」では、勝ち進みステージに立つ7人に、司会者はこう問いかけた。 「にせの診断書を作り、学校や職場に提出することは、有印私文書偽造・同行使という犯罪になります。この罪の罰則は?」 回答は選択式で、正解は「A:3カ月以上5年以下の懲役」。 ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使は、この日のイベントの開会にあたり、こう述べていた。 「第二の故郷である日本社会に溶け込むためには、日本の法令、規則、慣習を理解し、順守することが極めて重要です」 ベトナム人らの多くは笑顔で、同郷の人々と親睦を深めているようだ。 日本企業に貢献した労働者が大使から表彰されるステージ上の様子に目を向けながら、NPO法人「日越ともいき支援会」(東京都港区)代表理事で僧侶の吉水慈豊さんは、記者にこう語った。 「このイベントが、外国人労働者の『光』の部分だとすれば、私は『影』の部分を見てきました」 吉水さんは14年にNPOを立ち上げ、過酷な労働環境や生活困難に直面するベトナム人を支えてきた。 ■「資格外就労」の疑いで逮捕 日本に在留するベトナム人は年々増加し、25年6月末時点で66万483人とされる。在留資格別で見ると、「技能実習」は約20万人、「特定技能」は約15万人、「技術・人文知識・国際業務」(技人国)は約12万人。いずれも国・地域別で見ると最多だ。 そのせいか、労働をめぐる犯罪に巻き込まれるケースも「少なくない」という。最近、急増しているのが、技人国の在留資格で入国したベトナム人のトラブルだ。 「つい先日も、だまされて技人国で入国したベトナム人女性が、資格外就労をしていたために逮捕されました」(吉水さん) 吉水さんがベトナムに暮らす女性の夫に電話すると、「突然、妻と連絡が取れなくなった。妻の健康を心配している」と話したという。