高橋文哉主演アニメ映画「クスノキの番人」完成披露試写会が開催 原作者・東野圭吾が20年ぶりに登壇

高橋文哉が主演声優を務めるアニメーション映画「クスノキの番人」が、1月30日(金)に全国上映される。公開に先立ち、完成披露試写会舞台挨拶が開催され、高橋らキャスト陣のほか、制作陣として伊藤智彦監督、原作者・東野圭吾氏が登壇した。 ■東野圭吾原作作品初のアニメーション映画 同作は東野氏による同名の小説を原作とする。原作は累計発行部数100万部を突破しているほか、東野氏の小説では初のアニメーション映画化となる。 理不尽な理由で職を奪われ、自暴自棄になった末に逮捕された青年・直井玲斗(cv:高橋)のもとに、母の腹違いの姉妹を名乗る女性・柳澤千舟(cv:天海祐希)が現れる。 釈放の条件として月郷神社に佇む神聖なクスノキの“番人”になることを命じられた玲斗は、父親の秘密を探る女性・佐治優美(cv:齋藤飛鳥)、和菓子老舗メーカーの御曹司・大場壮貴(cv:宮世琉弥)、家族に内緒で祈念に通う男性・佐治寿明(cv:大沢たかお)ら事情を抱えた人々と交流していく中で、意外な真実を知ることになる…という物語が描かれる。 監督を「HELLO WORLD」(2019年)で知られる伊藤氏が務めるほか、漫画「ブルーピリオド」を手掛ける山口つばさ氏がキャラクターデザインを担当している。 ■高橋文哉が原作の魅力を熱弁…キャスト陣&伊藤監督が登壇、完成披露試写会舞台挨拶 当日は、舞台の白幕が振り下ろされると同時に、高橋、天海、齋藤、宮世、大沢、伊藤監督が登壇。輝くクスノキのパネルと共に、舞台挨拶が始まった。 舞台挨拶では、伊藤監督が「原作が出たのは2020年で、その直後に読んで「やりましょう」となりました。東野先生の小説でもファンタジー度数が高いので、実写よりもアニメでやった方が良いと思ってやらせて頂きました。」と作品を手掛けたきっかけを振り返り、「なるべく派手な画と、キャラクターを活き活きと描く、日常の景色も楽しく描く、最後のクライマックスは盛り上がるような、アニメならではの表現を使った構成を心掛けました。」と、こだわりを明かした。 主演の高橋は、出演決定の際の気持ちを振り返り、「東野先生の初アニメーション作品にすごく惹かれた自分もいれば、凄くドキドキした自分もいて。そんな中で選んで頂いたことが嬉しいなと率直に感じたのと、この作品をやらせていただいて、終わった後に自分は何を感じるんだろうって…そこを大切にしたいなと思いました」と、当時の期待と緊張を語った。 高橋が原作について、「原作を読ませて頂いて東野先生が描く小説の文字1つ1つに、情景描写がすごく丁寧で魅力的に描かれていて、1人1人のキャラクターを愛させる能力が文にあるというか。それぞれのキャラクターに感情移入できるからこそ、こう、どんどん読み進めていける。やはりそこは東野先生が作り上げる小説の大きな魅力なのだなと思いました。そんな作品がアニメーション映画になると、どういうものになるんだろうとワクワクしていました」と魅力を熱弁する場面も見られた。 本作への出演にあたって、監督から手紙をもらったという天海は「本当に情景が自分の中でふわっと広がるような東野先生の文章で、この中の千舟さんという方を真摯に演じられたらいいなと思っていました。私も原作から“何か”を頂いたので、それがちゃんと見てくださった皆さんに伝わるといいなという思いで声を入れました」と募る想いを明かした。 また、大沢は「本当に素晴らしい台本で、すごく心に染みる。心に手を当ててみると、それぞれのキャラクターに共感できるような素晴らしい原作だったなと思いました」と、同作の物語の受け入れやすさについて語った。 ■監督が明かす裏話…齋藤飛鳥&宮世琉弥が声優オーディションに初挑戦 齋藤と宮世は、本作への参加にあたって、初めての声優オーディションに挑戦したという。 齋藤が「声優をやったことがなかったのでオーディションは初めてでしたし、東野作品初のアニメということでオーディションに参加するだけでも記念になるかなという気持ちでした。当日は監督に指示を頂いて、特に手ごたえもなく…優しくもなく…」と当時を振り返ると、会場からは笑いが漏れる。 伊藤監督が「それが良かったんですよね。『いたいた!』と思って僕は心のなかでガッツポーズをしていました」とオーディションでの演技を絶賛すると、齋藤は「本当に手応えがなかったもので…人生の思い出だなと思っていたら急にお知らせをいただいたので、すごく嬉しかったです」と安心した様子を見せた。 宮世もまた「僕も手ごたえゼロで、絶対にオーディション終わったらマネージャーさんと電話するっていうルーティンがあるんですよ。今回のオーディションだけは『僕、絶対落ちたんで』と言ってしまったぐらい自信がなくて。でもこうしてオーディション受かりましたっていう連絡が来て、驚きました」と話し、制作にあたっての緊張を伺わせた。 ■普段の芝居に近い形で収録…キャスト陣が明かす制作秘話 アフレコ時印象に残っていることを聞かれると、高橋は「天海さんとのシーンで、伊藤監督が『面と向かってこのシーンはやってみましょう』となって、天海さんのお顔をみてアフレコをしていたのをよく覚えています。大きいスタッフさんがいて、取っ組み合いをしながらカメラを回して、その表情づくりも作画に活かしたんだよ、という話もして頂きました。普段のお芝居に近い状態でやらせて頂けたのもありがたくて、作画として僕が作り出す表情を少しでも玲斗に吹き込めたのがすごく嬉しかったです」と、珍しい制作秘話を語る。 また、現場には東野氏が訪れる機会もあったという。高橋が「ブースの中でお話をする時間があった時に、天海さん発信でどういう風にこうキャラクターを作られているのかという話を目の前で東野先生にして頂いて。だからこんなにも観ていて情を動かされるんだなと感じたのは、すごく覚えてますね」と振り返ると、天海も「東野先生の原作で1作、出演させて頂いたことがあるのですが、演じるにもこう流れがあって。なぜこんなに共感というか、感情が理解できるんだろうと思って質問させて頂いたら、川には感情にも流れがあると。それを食い止めたり、せき止めたりしないように、脇道に逸れないようにしているって仰っていて、そういうことなんだと」と、東野氏の作品の特徴について、原作者自らの解説を受けた過去を明かした。 ■感無量のキャスト陣…試写会を経て感想を語る 本編を鑑賞した高橋は「圧倒されましたね、本当に。アフレコの時は絵が動いてなかったりとか、まだ色が入ってない段階でも見てて感動してましたが、完成形を見た時に、色でも楽しめるし、映像美ももちろん、音楽も合って。だから僕は見てすごく感じたのが、“目でも耳でも心でも楽しめる作品”はこういう作品なんだなっていうのを感じました。監督が仰ったように、ファンタジー要素もありながらも、どこかにこんなものがあるのかなと思わされるリアリティと作品の表現に圧倒されながら、あっという間に終わりました。」と、感無量の様子を見せた。 天海は「びっくりするくらい泣いてしまって。うまく言えないんですけど、きっと誰の心の中にもクスノキがあるんだろうなと…何かを受け取って誰かに伝えられたらいいなと思いました」と、物語のテーマへの想いを語った。 また、同作のタイトルにちなんで、自分を「番人」に例えるなら?という質問コーナーでは、宮世は登山にハマっているということで「山の番人」、大沢は「本当にこのメンバーや作品が大成功するような番人の一人でいたい」と語る。大沢の回答には、試写会の会場中から大きな拍手が送られた。 齋藤はお風呂をぴかぴかにすることが好きということで「お風呂の番人」、天海は自分で自分を戒めつつ頑張れたらということで「天海祐希の番人」、高橋は「蓋の番人」と気になるワードを話すと、「自分の中で心に蓋をする瞬間を使い分けてることがあるなと思ったので、クスノキのような寛大の人に全て受け止めてもらいたいなと思って過ごしています」と胸の内を明かした。 最後に高橋が、一言一句をかみしめながら「この作品のお話をいただいた時に、長編アニメーション初主演ということで、どうして今の自分にこんな贅沢なお声をかけて頂けるんだろうと思いながらお話を受けさせて頂きました。玲斗がクスノキの番人に選ばれ、玲斗が千舟さんやそれぞれのキャラクターと出会い、成長して、“クスノキの番人”としての覚悟や責任を感じていく物語を演じる中で、僕自身も天海さんをはじめとするキャストの皆様と、伊藤監督をはじめとするスタッフの皆様に本当にたくさんお力添えをいただいて作り上げることができた、役者・高橋文哉としての本当に大切な一作になっていると思います。『クスノキの番人』をこの世で1番最初に観るのが皆さんなので、最後は僕らスタッフ、キャストが作ったものを皆様の手で完成させて頂ければなと思います」と挨拶。 観客からの盛大な拍手が贈られ、完成披露試写イベントは幕を閉じた。 ■20年ぶりの舞台挨拶…原作者・東野圭吾氏がサプライズ登壇 上映イベント終了後、余韻漂う会場に、高橋、天海、伊藤監督が再び登壇。 高橋が「皆さんが1番最初に観た方なので、僕が今ほんとに聞きたいのは、どうでしたか?」と投げかけると、大きな拍手が会場に鳴り響いた。 高橋は「このお話いただいた当初から今日まで、皆さんに届く日をずっと待ちわびている自分と、少し怖さを持っている自分と戦いながら今日を迎えましたが、皆さんの温かい拍手に救われました。皆様が今日感じてくださったことを、家に帰って、自分の身の回りの人だったり、近くにいらっしゃる方々と繋がりや、目で見えるものだけじゃなくて心と心で通じ合えるような作品のきっかけとして、この『クスノキの番人』が架け橋になれたらすごく嬉しいです」とイベントの感想を述べた。 天海は「楽しんでいただけたでしょうか。たくさんの人が心を込めて作った作品です。皆さんの心にもクスノキがあると思います。それをどんどん成長させて、たくさんの人と繋がって、何かを伝えていっていただけたらなと思います。この作品が本当どんどん成長することを心から願っています」と、観客1人1人の表情を見つめながら作品への想いを語った。 監督は、天海演じる千舟のキャラクターをかっこよく描きたかったと話し、「(彼女のセリフである)『おろかですね』を流行らせたい。皆様のお力が頼りです」と話し、観客の笑いを誘った。 そんな中、会場に原作者・東野氏が到着。舞台上に登壇すると、観客席からは驚きの声が上がる。東野氏は「みなさんこんにちは。こういう場に出るのは20年ぶりになります。大事なことは今日みなさんがどう感じてくださったのか、お客さんがどれだけ満足したか、そういうことを気にしながら、宣伝を応援したいと思います」と、強い想いを言葉に込め、会場に伝えた。

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