これを受け英国政府も立場を変えた。英住宅省は昨年8月、10月、12月の3回連続で大使館建設計画承認を保留したが、拒否する意思は明確にはしなかった。タイムズは「保安局(MI5)と秘密情報局(MI6)を掌握する内務省と外務省は最近セキュリティ検討をした後、建設に異議を提起しなかった。英国政府は20日までに最終決定を下す計画」と伝えた。 だが英国では「中国が欧州での中国スパイの本拠地として活用されるだろう」「中国政府が秘密監獄を設置し反政府派の人たちを大挙拘禁するだろう」という懸念が出ている。特に反中キャンペーンを行う香港の人権活動家が強く懸念している。 これは中国が昨年8月に提出した建築図面の相当部分をセキュリティ上の理由を挙げ公開を拒否し、地下に正体不明の秘密の部屋を多く設計したという事実が伝えられて大きくなった。同じ年9月には英国人男性2人が中国でスパイとして活動した容疑で逮捕されたりもした。 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)も最近の報告書で「英国の監督を受けない大型建物は中国の情報機関に多くのスパイ活動機会を提供できる。(新築大使館の)建物がロンドンの大規模通信網と近接しており、英国だけでなく米国とファイブアイズ(米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)同盟との情報共有を危険にしかねない」と警告した。 それでも現時点では許可が下りる可能性が大きい。タイムズは「英国政府は中国との経済関係強化を試みている。スターマー首相が安全保障の懸念にもロンドンの中心部に作られる超大型中国大使館新築を承認する準備を終えた」と報道した。テレグラフも「スターマー首相が今月末に予定された中国訪問前に大使館建設を承認するだろう」と予想する。 代わりに英国は中国当局から1億ポンド(約214億円)規模の在中英国大使館再開発計画に対する承認を受ける考えだ。ただしタイムズは「セキュリティ議論が提起された状況で建設を承認する場合(スターマー首相が)政治的逆風を迎えることになるかもしれない」と指摘した。