水戸ネイリスト殺害事件「あえて実家にぬいぐるみを送った」「在宅時間や夫の外出時間を把握」元刑事は計画的な犯行を指摘

茨城県水戸市で起きたネイリスト殺害事件で、茨城県警は会社員の大内拓実容疑者(28)を殺人の疑いで逮捕した。大内容疑者は、殺害された小松本遥さん(31)の元交際相手だったとみられる。 捜査関係者によると、事件の数日前、小松本さんの実家に“置き配”のようにぬいぐるみが届いており、その中には位置情報がわかる発信機が仕込まれていた。このぬいぐるみが実家から小松本さんの手に渡ったことで、発信器の持ち主は小松本さんのアパートを把握した可能性がある。警察は大内容疑者が実家に届けた可能性があるとして捜査している。 しかし、大内容疑者は「一切身に覚えがない」として容疑を否認している。 元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は、事件発生当初から「早い段階で容疑者の特定はできていたはず」と語っていた。逮捕された今、改めて「本件は無差別通り魔や、現金物色の強盗ではない。しかも妊娠中の女性を一気に殺害するという強い殺意があるため、当初の段階から被害者周辺の捜査を一気にやる。そうすれば、過去のストーカーなどから、発生数日後には、ある程度容疑者を固定して、その人間を捜査していたと思われる」と推測する。 発生から21日後の逮捕になったことについては、「例えばAという容疑者が浮上すると、その人間の犯人性を特定する証拠収集が必要となる。逮捕状を請求するためには、証拠を固めていく。この被害者を狙う動機面がある人物かどうか。今で言うと、被害者のスマホを解析し、発信記録やメールの内容、ブロックしているかなどで、相手を割り出す」と説明する。 「現場周辺の出入りを防犯カメラで解析する。被害前後の出入り、今回であれば“入り”と“出”の車を特定した。それで容疑者が固まってくる。さらには、現場が一番の証拠の宝庫。現場に指紋があるか、足跡があるか、DNAがあるかとなれば、もっと対応が早かった」と語る。 これらの証拠が残っていた場合、「前科がある人間は、警察のデータベースに指紋がある。なければ容疑者を24時間行動確認して、例えば缶ジュースを飲んで捨てたら、そこから秘匿採取する。足跡も現場にあれば、行動確認して、同種の靴を履いていたら、足の裏を秘匿採取する。DNAも同様に唾液を秘匿採取する。そうした証拠固めに非常に時間がかかる」のだそうだ。 加えて、「もし現場に資料(証拠)がなかった場合は、犯行に使用した物、今回だと発信機や刃物、鈍器(を捜査する)。最近はネットで購入するが、発信機やぬいぐるみを犯行前に購入した人間は、かなり犯行が濃厚になる」とも説明する。 事件当日については「発信機を購入して、(ぬいぐるみに)仕掛け、実家に送り届けるのは、完全に計画的な犯行だ。一気にとどめを刺す、短時間で殺害する強い意志があるため、1人の時を狙った」と推理する。「何日も被害者宅の周辺を下見していたのだろう。被害者が在宅している時間帯や、夫が外出する時間を把握して、一気に犯行に及んだと思われる」。 「付き合っている時に実家を認知しているが、今住んでいる場所がわからない。だから、『ぬいぐるみを送れば、多分本人に渡るだろう』と計画して、あえて実家に置いた。そうすれば、親が被害者に『これ来てるよ』と渡して、(現在住んでいる)自宅に置くため居場所がわかると犯人は考えてやったと思う」 小松本さんは事件の4日前、名前を名乗らず、警察にストーカー被害を相談していたとされる。これには「『ストーカーの被害届を出したい』ということであれば、当然捜査を開始していたと思うが、どこの誰かわからず(警察も)残念だと思っているだろう。結果がすべてなので、最悪な状態になった」と嘆く。 また過去の事例を振り返り、「去年の川崎ストーカー殺人事件も、最初の認知で失敗していた。全国警察も人身安全対策課を強化し、相談ではなく、即座にスタートしろという指示が出ている。川崎の事件ははっきり言って失敗で、それを教訓にして、全国警察はストーカー事案を認知した時は、すぐに捜査を開始する」と話す。 川崎の事件では、一度は被害届が出されたが、後に被害者が取り下げていた。「被害届を取り下げても、捜査を当然続行していい。例えば、共犯者らが『取り下げろ』と言ってくることもよくある。それは証拠・罪証隠滅の恐れがある。もし被害届を取り下げると言っても、そうした事実があれば、それに向かって警察は捜査すべきだ」との見方を示した。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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