先月ユーチューブに「判事の目が不安そうだ。判事が被告人の顔色を見た」という内容のショートフォーム動画が多数登場した。先月16日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の高位公職者犯罪捜査処逮捕妨害事件宣告場面の一部を編集したもので、裁判長であるソウル中央地裁刑事35部の白大鉉(ペク・デヒョン)部長判事が被告の尹錫悦前大統領と宣告文を交互に見つめる姿だった。裁判所では裁判で被告と目を合わせることを推奨する。 「池貴然(チ・グィヨン)部長判事が死刑求刑確認後に声が小さくなった」と主張する映像も出てきた。先月13日、ソウル中央地裁刑事25部が進行した尹前大統領内乱首謀結審公判場面の一部を活用した。裁判長の池部長判事は「死刑」「無期懲役」など求刑量を大きな声で繰り返して確認した後「分かりました」と付け加えたが、この声が小さいという指摘だった。この映像にはギャグプログラムの映像や滑稽なバックミュージックが付け加えられていた。照会数は370万回で、5000件に達するコメントが付いた。 ◆7時間裁判のうち1分を切り取ってショート動画製作…脈絡カット ユーチューブでは判事の顔が目立つ。ユーチューブに「弁護人に打ちのめされた判事」「教育を受けた判事」などと題したショート動画が多数登場している。ソウル中央地裁のユーチューブにの掲載された裁判全体映像の照会数は数百回にすぎない半面、これを活用した「ショートフォームコンテンツ(ショート動画)」は多ければ数百万回にのぼる。 問題は7~8時間の裁判のうち一部の場面だけを切り取り、裁判の脈絡が消えている点だ。これに対し裁判所の内外では、内乱特検法が導入した「1審裁判中継」の明暗が浮き彫りになっているという評価が出ている。法廷がショート動画の素材になり、裁判官の裁判権と被告の防御権が同時に萎縮しているという懸念が法曹界で提起されている。 ◆下級審中継、1年前まで3件…先月基準で104件 大法院(最高裁)でなく1・2審の裁判でカメラが回るのは珍しい。最初の裁判中継は2013年の大法院全員合議体だった。梁承泰(ヤン・スンテ)元大法院長は「司法府に対する国民の信頼増進」を目標に掲げた。ある部長判事は「憲法裁判所が宣告を中継しながら国民に最高機関のような地位を確立し、司法府が危機意識を持って中継を始めた」と話した。 1・2審の裁判中継は制限的に許容された。朴槿恵(パク・クネ)元大統領の国政壟断事件1審宣告期日が最初の事例だ。2018年に朴元大統領の宣告2件と李明博(イ・ミョンバク)元大統領の宣告1件が中継された。李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長と崔順実(チェ・スンシル)被告の宣告に対する報道機関の中継申請があったが、裁判所は許可しなかった。2024年の李在明(イ・ジェミョン)大統領の公職選挙法違反・偽証教唆1審宣告の生中継申請も受け入れられなかった。 そして内乱特検法の施行で裁判中継が爆発的に拡大した。昨年9月26日の尹錫悦前大統領の高位公職者犯罪捜査処逮捕妨害事件1次公判をはじめ、4カ月間に104件の裁判中継があった。改正内乱特検法は内乱裁判1審中継を強制する条項を設け、上級審でも特検や被告人の申請がある場合に特別な事情がなければ許可しなければならないと規定した。