2021年、熱海市で28人が犠牲となった土石流災害で、崩落した盛り土があった土地の前所有者が15日、詐欺容疑で逮捕されました。土石流の捜査との関連は?そして裁判への影響はあるのでしょうか。 16日、清水警察署からでてきた1台の車。そこに乗っていたのは、2025年、カメラの前で私たちの取材を受けていた神奈川県小田原市の会社役員の男(75)。15日、詐欺の疑いで逮捕され、16日検察に身柄が送られました。 警察によりますと、会社役員の男は5年前、経営していたライブハウスがすでに閉店していたのにも関わらず、神奈川県が実施する新型コロナに関する協力金を申請し、現金約160万円をだまし取った疑いがもたれていて、経営する会社の社員や知人と共に逮捕されました。 事件が発覚したきっかけが、5年前の7月、熱海市伊豆山で発生した土石流災害。盛り土が崩落したことで被害が拡大し、災害関連死を含め28人が亡くなりました。 (会社役員の男) 「埋めてる途中って俺ほとんど見てないの。そこなんか興味ないもん、金にもなってないし。」 会社役員の男は、この崩落の起点とされている“盛り土”があった土地の前の所有者で、警察が捜査を進める中で今回の事件が発覚していたのです。 警察は詐欺容疑について会社役員の男らの認否を明らかにしていません。 (会社役員の男) 「だって俺が泥入れてるの?俺入れたの2006年の6000立米だけ。これは風致地区条例で入れてんだよ、合法。それでも違反があったから直せ直せ。全部直しました。」 土石流に関して会社役員の男は これまで「盛り土をしたのは土地を貸した他の業者だ」との主張を繰り返していました。 警察は今回の詐欺容疑での逮捕は「土石流の捜査とは関係ない」と話していますが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、 (元東京地検特捜部副部長 若狭勝 弁護士) 「さらに証拠物、あるいは容疑者、あるいは容疑者の会社の中でのメールのやり取り文書のやり取りをかなり押収をすることが可能になる。神奈川県警がやっても良かったのかなと思うが、あえて静岡県警がやってるということだとすると、やはり今回の詐欺事件の関係で得られる証拠物というのは、熱海土石流の捜査に非常に直結していくことは否めないと思う。 土石流を巡っては現在、民事裁判が進んでいて、13日には裁判官が盛り土が崩落した現場を視察したばかり。24日には、会社役員の男が証人として法廷に立つことも決まっていました。 今回の詐欺容疑での逮捕で裁判に影響はでるのでしょうか。 (元東京地検特捜部副部長 若狭勝 弁護士) 「影響はあると思います。逮捕されたことを踏まえて、裁判所とすると延期の方向を考えるのが可能性としては大きい。出廷する可能性はなくはないが、おそらく捜査機関が(捜査中で)証人尋問に出廷させるのを配慮してほしいと言えば、民事の裁判所はそれを受けて出廷を取り消すというようなことの可能性の方が高いと思います。」