アメリカの富豪、ジェフリー・エプスタイン氏(2019年に逮捕された後、勾留中に死亡)に関する米司法省の捜査資料、いわゆる「エプスタイン文書」が世界を揺るがしている。 政界や経済界などの大物が事件に関与していたのではないかという疑念が広がっており、膨大な量の文書が公開されて以降、海外メディアでは報道が相次いでいる。 一方、日本では週刊誌がエプスタイン氏と著名な日本人との関係を指摘する記事を出しているものの、新聞やテレビが独自の調査報道に乗り出す動きは見当たらない。 こうした状況に対して、ネット上では「なぜ日本のマスコミは報じないのか」「日本のマスコミは本当に鈍感」といった批判の声が上がり、陰謀論を主張する書き込みも散見される。 「パナマ文書」の報道に携わった元共同通信記者で、早稲田大学教授の澤康臣(さわ・やすおみ)さんは、新聞やテレビ業界における「前例踏襲」「横並び」「予定調和」という体質を指摘する。 どういうことなのか。以下、澤さんの寄稿をお届けする。