「戦争も覚悟」イラン…米軍基地13カ所に「ミサイル集中砲火」予告

トランプ米大統領が2003年のイラク戦争以降で最大規模となる軍事力を中東に集結させて圧力を加えているが、イランは容易に屈服しない考えだ。むしろさまざまな反撃手段を準備している。体制守護のために避けられなければ戦争も覚悟し、その場合、昨年6月の米国・イスラエルとの「12日戦争」で劣勢だった過去を繰り返さないという立場だ。 23日(現地時間)のニューヨークタイムズ(NYT)、CNNなどによると、イランが優先的に米国に使用する反撃カードは弾道ミサイルだ。米国が攻撃する場合、イランはイスラエル領土をはじめ、カタール、バーレーン、サウジアラビアなど中東駐留米軍基地13カ所に「ミサイル集中砲火」報復をする計画だ。 ウォールストリートジャーナル(WSJ)はイランがイスラエルをはじめ中東全域を打撃できる中距離弾道ミサイル約2000発を保有したとみられると報じた。最大射程距離が2000キロのホッラムシャフル-4とセッジール-2、最大射程距離1400キロでマッハ13~15の速度のため迎撃が難しい極超音速ミサイルのファタフ-1などが代表的なミサイルだ。最大射程距離3000キロで欧州も射程圏に置く巡航ミサイルのスミール、ロシアに輸出するほどの技術力を誇る攻撃ドローンのシャヘドなども保有している。 イランは昨年6月にも米国が自国の核施設を爆撃すると、カタールのアルウデイド米軍基地に弾道ミサイルを発射した。当時は攻撃前に米国側に計画を伝えたが、今回は違う。NYTは「イランの攻撃に米軍兵力3万~4万人が露出している」とし「相当な規模の死傷者が発生する可能性がある」と懸念を表した。 欧州と中東一帯で無差別的テロをするという見方もある。イランの指示でレバノンの武装組織ヒズボラ、アルカイダ、その関連組織が欧州内の米国・イスラエル大使館や米軍基地を攻撃するおそれがあるということだ。テレグラフは「イランは欧州領土内で代理勢力を運用する能力を立証してきた」とし「昨年5月、英当局は在英イスラエル大使館を攻撃しようとしたイラン国籍者4人を含むテロ組織員5人を逮捕した」と伝えた。中東ではイエメンのフーシ派とハマス、ヒズボラ、イラク民兵組織などイランを代理してイスラエルと戦ってきた「抵抗の枢軸」勢力が加勢する可能性がある。イスラエル本土とサウジアラビア、シリアなどの米軍基地をロケットやミサイルで攻撃しながらだ。 長期的な消耗戦で米国を疲労させる可能性にも言及されている。昨年、フーシ派は紅海でドローンとミサイルで米軍と商船を執拗に攻撃し、経済的な圧力を感じた米国を交渉に導いた。 イランも紅海と世界原油輸送量の5分の1が通過するホルムズ海峡など戦略的海上路を攻撃し、葛藤を長期化させることが考えられる。原油価格の上昇と安保の不安を招き、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領に圧力を加えるということだ。実際、イランは17日、ホルムズ海峡の一部を封鎖して射撃訓練を実施した。 米国とイスラエルの斬首作戦(首脳部除去作戦)にも対応している。イラン最高指導者のハメネイ師は自身の身辺に異常が生じれば後任候補にラリジャニ最高安全保障委員会事務局長、ガリバフ国会議長、ロウハニ元大統領らを決めていると、NYTは伝えた。政府・軍指導部の幹部にも継承序列を4位まで指定するよう指示した。昨年6月のイスラエルの攻撃で軍首脳部が一挙に除去された状況を防ぐという意志だ。 イランのこうした抗戦の意志は戦争が体制の維持に役立つという判断のためだ。イラン指導部は米国の要求をすぐに受け入れる場合、1979年のイスラム革命で樹立された神政体制が崩れると懸念している。米シンクタンク「国際危機グループ」のイラン担当アナリスト、アリ・パエズ氏はNYTに「イランとしては米国の条件に屈服することが米国の攻撃を受けることより危険だとみている」と話した。

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