【03月05日 KOREA WAVE】韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領が「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕執行妨害」や「国務委員(閣僚)の審議権侵害」などの罪に問われた事件の控訴審初公判が4日、ソウル高裁で開かれ、ユン前大統領はこれまでと同様に容疑を全面的に否認した。裁判所はユン前大統領側の要請を受け、キム・ヨンヒョン(金龍顕)前国防相を証人として採用した。 ユン前大統領はネクタイを着けない白いシャツに濃紺のスーツ姿で出廷し、左胸には収容番号が記された名札を付けていた。 内乱特別検察チームは公判で「1審は事実関係と法理を誤認し、一部の容疑を無罪と判断した」と主張した。さらに懲役5年とした量刑についても「過度に軽い」と指摘し、控訴理由を説明した。 特検側は、非常戒厳宣言に関連した虚偽文書作成疑惑について「虚偽の戒厳宣言文は弾劾審判や捜査機関で使用する目的で作成された」と主張。「いつでも使用できる状態で保管した行為は公的信用を侵害する危険を生じさせた」と指摘した。また大統領の地位を利用して公務員に虚偽の広報資料の配布を指示した行為は、国家組織の信頼を損なう職権乱用に当たると強調した。 量刑についても「憲政秩序を乱す犯罪にもかかわらず犯行を全面否認し、納得できない弁解を続けている」とし、「国民への謝罪もなく司法制度を軽視している」と批判した。 これに対しユン前大統領側は、1審で有罪とされた国務委員7人の審議権侵害や事後戒厳宣言文作成、暗号電話の通話記録削除指示、逮捕状執行妨害などについて一つ一つ反論した。 ユン前大統領は自ら発言し「通常の形式で国務会議(閣議)を開けば戒厳宣言が全国に広まり、国民の動揺や治安需要が生じる可能性があった」と説明。「兵力投入を最小限に抑えるため、通常の国務会議の形式を取れなかった」と主張した。事後戒厳宣言文についても「文書の存在自体を知らなかった」と述べ、虚偽文書作成の意図を否定した。 また公捜処による逮捕・捜索令状の執行を妨害したとの疑いについては「大統領公邸の警護区域に許可なく入れば退去を求めるのは当然だ」と反論し、「これが特殊公務執行妨害になるのは理解できない」と述べた。 裁判所は控訴審の争点を▽国務委員の審議権侵害と職権乱用の成立▽戒厳関連の事後文書が虚偽公文書に当たるか▽虚偽広報作成の指示▽暗号電話をめぐる指示▽逮捕・捜索令状執行の適法性――の5点に整理した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News