【ロンドン=黒瀬悦成】英警察は4日、中国の対外情報機関をスパイ活動を通じて支援したとして、国家安全保障法違反の容疑で39~68歳の男3人を逮捕した。複数の英メディアは、逮捕者の1人は与党・労働党のリード下院議員の夫だったとしている。リード氏は「夫が違法な行為に及んだと疑われることは何も目撃していない」との声明を発表した。 英国では近年、中国によるスパイ活動疑惑が相次いで浮上。昨年11月には英国内の防諜を専門とする情報局保安部(MI5)が中国当局のスパイによる英議会での情報収集活動や影響力工作への警戒を呼びかけていた。 一方、労働党のスターマー政権は低迷する英経済の再建を図りたい思惑から中国との貿易関係の強化を模索している。 今年1月には「安全保障上の懸念が大きい」として反対意見が多かった首都ロンドン市内の中国大使館の移転を承認し、野党の保守党などから強い批判を浴びていた。 今回の事件で与党議員の親族が逮捕されたことで、スターマー政権の対中姿勢が改めて追及されるのは必至とみられる。