『再会』竹内涼真が最後の推理ショーでまさかの地蔵化!真犯人の正体より驚いたのは、ラスト2分の “最悪の結末”【ネタバレあり】

意外な真犯人の正体判明よりも驚いた、なんだか後味の悪い “ハッピーエンド” だった。 3月17日(火)に最終話(第9話)が放送された、主演・竹内涼真×ヒロイン・井上真央の『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)。23年前の現金輸送車強盗事件と現在のスーパー店長殺人事件、過去と現在の事件が複雑に絡みあうヒューマンラブミステリーだ。 幼馴染の淳一(竹内)、万季子(井上)、圭介(瀬戸康史)、直人(渡辺大知)の4人は、小学6年生のとき、警察官だった圭介の父と強盗事件の犯人が拳銃で相打ちして両者が亡くなった現場を発見してしまう。 それから23年、スーパーの店長だった直人の兄が殺害されたことをきっかけに4人は再会。刑事になった淳一が久しぶりに会った初恋の相手・万季子には、殺人の容疑がかけられていた。 ――ここからは、23年前の真犯人の正体を除いて最終話のネタバレをしていくので、未視聴の方はご注意を。 ■【ネタバレあり】約12分にもおよんだ推理ショー 率直に言って、最終話の主人公・淳一は終始冴えなかったし、それどころか彼の決断はひどいものだった。主人公としてキメるべきところで一言もしゃべらず、そのうえ非情な選択を平然としていたからだ。 本作のミステリー要素は、大別すると、23年前の事件と現在の事件の犯人は誰なのかという2つだった。 現在のスーパー店長殺人事件の犯人がヒロイン・万季子だったことは第8話で明らかになっており、最終話は23年前の現金輸送車強盗事件の首謀者=真犯人が誰かということが焦点となっていた。 最終話の中盤、淳一と刑事・南良(江口のりこ)の2人で真犯人のもとに乗り込み、しらを切るその人物を推理ショーで追い込んでいく約12分にもおよぶ長尺シーンがあった。言わずもがなミステリー作品の最大のクライマックスである。 しかし、この推理ショーで、淳一は一言もしゃべらなかったのだ。真犯人を追い込んだのは、実は23年前の事件に婚約者が巻き込まれて亡くなっていたという南良のほう。 江口のりこ演じる南良が真犯人をじわじわと追い込んでいく姿は圧巻だったが、セオリーでいうなら “圧巻” だと感じさせてくれるのは竹内涼真演じる主人公であるべきだろう。 南良vs.真犯人の対決はとても見ごたえがあったが、淳一はその場に同席しているだけで、まるで地蔵のごとく無言。主人公としてはほぼ見せ場のない最終話のクライマックスとなったわけだ。 淳一がようやく口を開いたのは、12分の推理ショーの最後のみ。突入して来たほかの刑事たちが真犯人に手錠をかけて逮捕するまで、一言も発さなかったのである。 ■現恋人を振って初恋相手を選ぶという後味の悪さ ミステリー作品の主人公としては、ていたらくな推理ショーを演じた淳一だったが、恋愛パートでは見せ場が用意されていた。だが、その決断はなんだか後味が悪かった。 端的に言うと、現恋人を振って初恋相手を選んだからだ。淳一には、3年前に出会って同棲までしている看護師の彼女(北香那)がいる。淳一が過去のトラウマに苦しむたびに寄り添ってくれており、控えめに言って “めっちゃいい女” だった。 最終話でも、同棲している部屋のベッドで朝を迎え、悪夢にうなされることがなくなった淳一をやさしく包み込んでくれていた。 けれど、彼女は淳一の気持ちを察し、別れ話をされるかもしれないと悟っていた様子。そんな彼女が「未来の話しよっか?」と尋ねると、淳一は「万季子を支えたい」と答える。彼女は切ない表情で「わかった」と頷いたあと、「私はべつの街に行くね」と微笑んで別れを受け入れるのだった。 淳一と彼女の最終シーン、お互いに「じゃあね」と告げてから、彼女が駆け寄って抱きつき、「大好き」と伝えていたのがなんとも切ない。「大好きだった」という過去形ではなく、「大好き」なのだ。こんないい女を振るなんてひどすぎる……。 ■1年後にジャンプして描かれた “最悪の結末” とは そして最終話の終盤で1年後にジャンプ。万季子の刑が殺人罪で拘禁3年・執行猶予5年と決まり、無事に拘置所から出られることに。 ラストの約2分。淳一が出所日に迎えにいき、万季子に「ねぇ、チューしたことある?」と小6のときと同じセリフを問いかけてからのキスシーンで締めるという “ハッピーエンド” だった。 ……しかし、同棲彼女の犠牲のうえで成り立っているこの結末を、本当にハッピーエンドと呼んでいいものなのか、はなはだ疑問だ。 振られてしまった彼女視点で考えると、こうなる。急に現れた彼氏の初恋相手というあざとい女に、彼氏がたぶらかされて、結局その女は殺人犯で、そんな罪を背負った初恋相手を彼氏は「支えたい」と言い出して、自分は捨てられてしまうという顛末。 劇中の彼女はものわかりよく笑顔で身を引いていたが、泥沼の修羅場になってもおかしくないレベルの悲惨体験で、ある意味、最悪の結末だ。 個人的には、明らかになった意外な真犯人の正体よりも、淳一が彼女を捨てて万季子を選んだことのほうが、よっぽど驚いた。 淳一の人生を俯瞰すると、万季子に対しては幼馴染&刑事として適度な距離感で支えていくだけにして、最後まで笑顔で「大好き」と言ってくれていた健気な彼女を選んだほうが、絶対によかった気がしてならない。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿

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