石丸素介さん(42)は、小学校時代の担任教諭による性被害の事実と後遺症の損害が、最高裁判所によって認められたのは2024年のことだ。 しかし、その加害者の元担任・田中耕一郎容疑者(75)は2025年末に男児への性犯罪の疑いで逮捕された。 なぜ、性犯罪は繰り返されるのか。この疑問を解くカギとなる手紙が、「文藝春秋PLUS」で「 ルポ男児の性被害 」を連載中のジャーナリスト・秋山千佳氏に届いた。手紙の送り主は、 男児への性加害で服役中の元ベビーシッターの男性 だ。 ◆◆◆ 刑務所から一度に発送できる上限枚数の便箋に、びっしりと埋め尽くされた文字。 「石丸さんにとって、田中容疑者の名前を見るだけでも耐えがたい苦痛であるものと感じました。いわゆる“トラウマ”を抱えて生きていく運命を背負わせてしまった私たち加害者の罪は重いです」 差出人は、男児への性加害で服役中の元ベビーシッターの男性だ。 石丸さん――石丸素介(42)は、小学校時代の担任教師による性被害の事実と後遺症の損害が、裁判所によって認められている。 加害者である元教師・田中耕一郎容疑者(75)は、このたび、別の男児に対する児童買春・児童ポルノ法禁止違反(製造)容疑などで逮捕された。現在は完全黙秘の状態だ。 男性は、田中と同じく「多くの男児に性加害をして」きた立場だ。小児性愛症(ペドフィリア)という病だと自認してもいる。 だが獄中で、石丸をはじめ性被害者が声を上げる姿を追った『 沈黙を破る 「男子の性被害」の告発者たち 』(文藝春秋)を読み、自身の被害者たちを思って呆然としたという。性被害に遭った男児が成人しても苦しむ現実を、初めて詳しく知ったからだ。 今年1月、筆者の元に送られてきた最初の手紙には、こんな決意が綴られていた。 「次は私が、小児性愛や依存について実態を訴え、沈黙を破る番だと思っています」 子どもへの性加害を繰り返す者の再犯を防ぐには、どうしたらいいのか。 今年12月には、子どもと接する職に就く人の性犯罪歴を雇用側が確認する「日本版DBS」の運用が始まるが、その実効性を加害当事者はどう見るのか。 償いのあり方を探っている最中だという男性の声を、手紙での取材から紹介する。