日野町事件のやり直し裁判向け三者協議 裁判長、迅速な審理求める

滋賀県日野町で1984年に起きた「日野町事件」で、強盗殺人罪で無期懲役が確定して服役中に亡くなった阪原弘(ひろむ)さんのやり直し裁判(再審)に向け、弁護団と検察、裁判所による三者協議が25日、大津地裁で始まった。協議後に会見した弁護団によると、畑口泰成裁判長は弁護側と検察側に対し、裁判での「迅速な審理」を求めたという。 協議には、再審請求人で阪原さんの長男・弘次さん(64)と長女・美和子さん(62)も出席。弁護団によると、検察側は裁判で改めて阪原さんの有罪立証をするか否かについて、方針を明らかにしなかったという。 これに対し弁護団は検察側に対し、有罪立証しないよう求めた上で、5月19日の次回協議までに方針を明らかにするよう求めた。 主任弁護人の石側亮太弁護士は会見で、「再審開始決定以降、検察官の即時抗告や特別抗告で7年7カ月も開始が妨げられてきた。一刻も早い冤罪(えんざい)救済に向けて、検察官は公益の代表者としてきちんと振る舞ってほしい」と話した。 弘次さんは「母は88歳と高齢。家族が元気なうちに再審無罪を勝ち取りたい。検察官には有罪立証などすることなく、早期に裁判を終わらせていただきたい」と訴えた。 阪原さんは行きつけの酒店の女性店主(当時69)を殺害し、手提げ金庫を奪ったとして88年に逮捕・起訴された。公判で無罪を主張したが、地裁は遺体や手提げ金庫が捨てられた場所を案内できたなどとして、有罪と認定。無期懲役の判決が最高裁で確定した。 阪原さんは再審請求中の2011年3月、75歳で病死した。12年に遺族が改めて再審を請求したところ、捜査員が遺体や手提げ金庫の発見現場に誘導した疑いがあるなどとして、地裁が再審開始を決定。大阪高裁も再審開始を支持し、今年2月に最高裁で確定し、殺人事件では戦後2例目となる「死後再審」が開かれることが決まった。(真常法彦、新谷千布美)

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