10代の若者を対象とした、性に関する悩みを相談できる「ユースクリニック」の開設が、全国に広がっています。婦人科や小児科のクリニックに併設されているタイプ、自治体が運営しているタイプなどあり、相談する若者の年代や抱える悩みはそれぞれのタイプで少しずつ異なるようです。首都圏にある2つのユースクリニックを取材しました。※前編<思春期の“性の悩み”に応える「ユースクリニック」とは? ワンコインで看護師に相談、繁華街に相談ブースを設置など、敷居を下げる工夫も>から続く ■コンドームをつけてくれない彼氏。どうすればいい? 神奈川県藤沢市にある「藤沢 女性のクリニックもんま」は2019年の開設当初から、13歳から18歳の女性がワンコイン(15分500円)で看護師に個別相談できる「ワンコインユースクリニック」を併設。2021年からは毎月第一土曜日の午後にクリニックを無料開放して「オープンユースクリニック」を開催しています。 婦人科のクリニックに併設ということもあり、悩みは月経や性に関することが多く、利用者は中高生が中心です。院長の門間美佳医師によると、もっとも多いのが「相手がコンドームをつけてくれない」という悩みだといいます。 「『初めて付き合った彼氏がコンドームをつけてくれないのだけど、どうすればいいのか』という質問がすごく多いです。まず、自分と彼が対等な関係かどうかを考えてもらい、たとえ年齢差などの差異があっても対等な関係でなければ健康的な関係を築けないことを理解してもらいます」(門間医師) ■自分の人生の手綱は自分で握る 「また、コンドームをつけずに射精することは性暴力であること、それを相手に伝えることは見下されないためのお守りのような言葉であること、さらにピルやミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)といったコンドーム以外の避妊方法についても話します。 そもそもコンドームは性感染症の予防はできても避妊については確実な方法ではないですし、コンドームをつけるかつけないかは相手次第で、自分の体の大切なことなのに避妊の決定権が自分にはないのです。自分の人生を自分で決められないなんておかしいですよね。自分の人生の手綱は自分で握らなきゃ、と伝えています」 月に1度の無料開放時には、門間医師のほか看護師や助産師、思春期保健相談士、大学生のピアカウンセラー(自身の経験を生かして同じような悩みや困難を抱える人を支援するカウンセラー)、ネイリストがいて、利用者はアクセサリーづくりやネイルをすることもあれば、大学生が作成した性的同意パンフレットや痴漢抑制活動の動画を見て過ごすこともあります。