1999年に名古屋市西区のアパートで主婦高羽奈美子さん=当時(32)=が殺害された事件で、夫の悟さん(69)が30日、同市内で記者会見し、殺人罪で起訴された安福久美子被告(69)を相手取り、損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしたと明らかにした。 賠償請求権は民法724条で、不法行為から20年が経過した時点で消滅すると規定されている。原告側は、被告が逮捕されるまで加害者を知ることができず、一切の権利を行使できなかったとして、請求権を制限する除斥期間の適用は「著しく正義・公平に反する」と訴えた。 悟さんは「20年の除斥期間がおかしいという趣旨で起こした裁判だ」と述べた。 原告は悟さんと事件当時2歳だった長男で、請求額は非公表。訴状によると、高羽さんの遺失利益約4000万円に加え、精神的苦痛に対する慰謝料、現場保存のため借り続けたアパート賃料などを損害額に含めた。「約26年間も自首することなく潜伏し、真相究明を求めて現場保存し続ける峻烈(しゅんれつ)な精神的重圧を強いられた」と強調した。