(CNN) イスラエル人入植者たちが3月31日、ヨルダン川西岸のタヤシル村を再び襲った。この村では数日前、現地で違法な「前哨地」の設置を取材していたCNNの取材班がイスラエル兵に拘束され、暴行を受けていた。 パレスチナ赤新月社によると、今回の攻撃で少なくとも4人のパレスチナ人が負傷した。目撃者によればイスラエル人入植者たちは家屋、農作業小屋、車両に放火したという。 CNNが入手した映像には、複数の車や小屋が炎に包まれ、黒煙が立ち上り、辺りを覆っている様子が映っている。村の丘陵地帯を捉えた別の映像には、複数の車両やテントが炎上し、黒煙が立ち上る様子も映っている。火災後の映像には、焼け焦げた車両も確認できる。 地域指導者で目撃者のアメル・ダバク氏によると、タヤシル村に到着したイスラエル軍は消防隊、救急車、住民が現場に近づくのを阻止したという。 「彼らは住民が自宅に戻ることを阻止したが、入植者たちには好きなように行動することを許した」(ダバク氏) CNNはイスラエル国防軍(IDF)にコメントを求めた。 入植者たちは5日前にも既にこの村に押し入り、複数の住民を殴打。村内に違法な前哨地を建設していた。CNNは、イスラエル軍が新たな前哨地のそばで事態を傍観しているのを目撃した。兵士らは入植者たちを取り締まらず、代わりに複数のパレスチナ人とCNNの取材班を拘束した。 タヤシル村の住民によると、イスラエル軍は翌日前哨地を撤去したが、入植者たちは村内の別の場所に再び前哨地を設置したという。 この再建された前哨地はイスラエル法および国際法の下で違法なのにもかかわらず、まだイスラエル当局によって撤去されていない。 イスラエル当局は、入植者がこの地域に戻ってきたことを認めている。イスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)はCNNの問い合わせに対し、「作戦上の優先順位に従い、政治指導部の承認を得た上で、追加の避難を実施する」と回答した。 上記のイスラエル兵に関するCNNの報道はイスラエルメディアで大きな注目を集め、イスラエル社会で議論を巻き起こした。イスラエル軍の参謀総長はその後、当該大隊を作戦活動から外し、パレスチナ人への「報復」を口にした兵士1人を解雇、複数の指揮官を懲戒処分とした。 しかし極右のイタマル・ベングビール国家安全保障相を含む複数のイスラエル当局者はこの作戦停止を非難。ネタニヤフ首相率いる連立政権の右派議員31人は31日、当該大隊の再配置を求める書簡を送付した。 一方、入植者支援におけるイスラエル兵の役割に対するより広範な責任追及や、蔓延(まんえん)するイスラエル人入植者による暴力行為への具体的な対策は依然として欠如している。 先週早朝、75歳のアブドラ・ダラメさんは襲撃に来た入植者から自宅で残忍な暴行を受けたが、この事件で逮捕者は出ていない。 ダラメさんの妻のアムナさんは31日に心臓発作を起こし、亡くなった。息子のサミさんが明らかにした。サミさんによればアムナさんは、夫が襲撃されたことで精神的にも肉体的にも大きな影響を受けていたという。