時計のなかでV16エンジンが駆動ってどんなメカニズムよ!? 1億5000万円でも安く感じるジェイコブ&Co×ブガッティのコラボウォッチ

ジェイコブ&Coのトゥールビヨンと聞いてピクリと反応するのは時計オタク、あるいはラップミュージックのファンではないでしょうか。これまでもさまざまな仕掛けを組み込んだリッチな時計をリリースしてきた同社は、時計ファンの羨望をまといつつ、Jay-Zやらファレル・ウィリアムスといったアーティストが愛用するなど常に話題の的でした。なかでも、ブガッティ・シリーズはなんと時計のなかでV16エンジンが稼働するという驚愕のメカニズムで、世界中があっけにとられている模様です。 ジェイコブは1990年代から、その圧倒的な派手さと独創性で古くから成功の証としてギャングやトップラッパーたちがこぞって愛用するブランド。Jay-ZやNotorious B.I.G.などのビッグネームが、歌詞のなかでジェイコブを「成功の象徴」と語っており、「アウトローが巨万の富を築いた姿」がブランドのイメージコアになっているといっても差し支えないでしょう。ちなみに、創始者のジェイコブ・アラボが、麻薬組織の資金洗浄に関与した疑いでFBIに逮捕されたことも、そうした客層に対する箔をつけたのではないでしょうか(最終的に資金洗浄の罪は認められていませんが)。 そんなジェイコブですが、作るものは素晴らしいとしかいいようがありません。そもそも、ちゃんとしたトゥールビヨンを作れるファクトリーは世界を見まわしても数社だけ。これは18世紀に時計職人ルイ・ブレゲが発明した世界三大複雑機構のひとつです。機械式時計の心臓部は、重力の影響でわずかな精度を乱すとされていますが、トゥールビヨンは、これら一式を「キャリッジ(籠)」に収めてまるごと回転させることで、垂直方向の重力誤差を分散・平均化し、究極の精度を追求する仕組み。時計好きのみならず、機械好きにはたまらないメカニズムにほかなりません。 そんなジェイコブのトゥールビヨン決定版といえるのが、ブガッティとコラボした「ブガッティ・トゥールビヨン」と「ブガッティ・トゥールビヨン・バゲット」という最新モデル。ちとややこしいのですが、これはブガッティ・シロンの後継モデルとして登場したスーパーカー、ブガッティ・トゥールビヨンにちなんだネーミングとなっています。この時計最大の衝撃は、サファイアクリスタルのケース内に据えられたV16エンジン。これは単なる飾りではなく、プッシュボタンを押すと、透明なサファイア製のシリンダー内で16個のチタニウム製ピストンが上下に動き、クランクシャフトが回転する「オートマトン(自動人形)」機構を搭載しているところ。 また、ちょっと見づらい時刻表示もブガッティのメーターに似せたデザインとなっています。しかも、針が扇状に動き、端まで行くと瞬時にゼロへ戻るジャンピング・レトログラードなる方式を採用しており、これまた他社が追随できないようなギミックにほかなりません。さらには、ケースデザインもブガッティのフロントグリルをイメージした造形となっており、ブガッティがそのまま時計になったかのような一体感を醸し出しているのです。なお、一般的なトゥールビヨンが1分間で1回転するのに対し、このモデルは30秒で1回転する高速フライング・トゥールビヨンへとチューンアップ。ブガッティの代名詞でもある「スピード」の象徴をメカに織り込むという離れ業は、それこそビックリドッキリメカそのものといえるのではないでしょうか。 ここまで聞くと、「ブガッティ・トゥールビヨン・バゲット」のケースが18Kホワイトゴールドだろうと、328個のバゲットカットダイヤモンドと18個のバゲットカットルビーが埋め込まれていようと「オマケ」のニュアンスは免れません。また、世界限定18個だけの製作と聞いても、さもありなんとしか思えないはず。お値段は1億5000万円とのことで、まさに実車のブガッティ・トゥールビヨンのハンドルを握る腕にふさわしいもの。ちなみに、ダイヤやルビーを埋め込まない「ブガッティ・トゥールビヨン」は、それでも6000万円ほどのプライスタグが付けられています。惜しくも実車を手に入れることができなかった方は、こちらの時計で溜飲を下げるのがよろしいかと。

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