iPhone1台とMacBook1台のみで制作した映画「無こその存在 あるいは鮎子の人生」劇場公開

「ポチの告白」「GOTH」のGEN TAKAHASHI(高橋玄)が脚本・監督・撮影・編集を担い、iPhone1台とMacBook1台のみで制作した映画「無こその存在 あるいは鮎子の人生」が、5月30日に東京・K's cinemaで封切られる。 同作は、貧困の元凶が財務省職員だと考え、財務官僚の暗殺を夢想する“テロリスト未満”の24歳・鮎子と、謎の外国人・通称レオの視点を通して描かれる社会派エンタテインメント。鮎子は1年前にアプリで出会った山口音也とともにマッチング詐欺を繰り返していた。ある日2人は東京・新宿歌舞伎町で身分偽装捜査中の刑事・佐々木らに摘発される。そして音也は現行犯逮捕されるが、逃走した鮎子はその場に居合わせたレオに助けられるのだった。 鮎子を佐久間あゆみ、レオをディエゴ・マルティーナが演じ、芹沢尚哉、天蝶二、近藤善揮、鈴木千佳子、松島好希も出演した。GEN TAKAHASHIは製作工程を極限まで削ぎ落とし、ハリウッドでも使用される映画撮影専用アプリ・Filmic Proによって映像を制作。「この物語を映画にするなら、当たり前のように製作資金がある企業の製作だとウソになる。まったくの個人的な有志が集う自主映画として創造することに意味がありました」と振り返っている。 YouTubeでは予告編が公開中。またこのたび特別映像も解禁され、2025年12月に大阪・第七藝術劇場にて行われたプレミア上映の模様を見ることができる。あわせて映画監督の瀬々敬久と土屋トカチ、脚本家・柏原寛司、俳優・吉野紗香によるコメントを後掲した。 オムロピクチャーズが配給する「無こその存在 あるいは鮎子の人生」は、神奈川・愛知・大阪でも順次公開。4月中には宣伝・配給拡大を目的としたクラウドファンディングの実施も予定している。 ■ GEN TAKAHASHI(高橋玄)コメント この映画を創った理由は、可視化されない日本の貧困社会を切り取ってみようと考えたからです。 一応は先進国で暴動も内戦もない、深い文化と美味い食べものに治安が良くて清潔な街で知られる日本。 だけどその内部は正しく国際社会に知られていないと思います。 「鮎子」はボロアパートにせよ風呂つきの部屋に住んでいるし、コンビニ飯を食ってネイルサロンにも行くけどその生活は犯罪収益で成り立たせている。 街を歩いているだけでは彼女が貧困かどうかなどわからない、それが可視化されない貧困です。 一方、外国人レオの眼には、彼女の行き詰まりが見えています。 静かに見えて爆発寸前の人間に、たったひとりでも声をかける誰かがいるだけで激変する人生がある。 この物語を映画にするなら、当たり前のように製作資金がある企業の製作だとウソになる。 まったくの個人的な有志が集う自主映画として創造することに意味がありました。 だから映画館での上映も、商業的なルーティンではない みなさん個人個人の賛同を機動力にした全国公開にしたいと考えました。 ■ 推薦コメント □ 瀬々敬久(映画監督) こんなインディーズでアングラな映画を久しぶりに見た。 高橋玄は変わらない。一貫してる。 怖いのは更に無手勝流のイバラの道を進もうとしてること。 今、この時代だからこそなのかも知れない。見習いたいと思った。 □ 柏原寛司(脚本家) GEN TAKAHASHIの映画には社会の暗部に斬り込む鋭い視点がある。 高橋玄名義の「ポチの告白」では警察を、 近作の「カニの夢を見る」では金融を、 そして新作の「無こその存在あるいは鮎子の人生」では 個人テロを鮎子という女性を通して描いている。 鮎子を見つめる監督の視線が優しく、 テロ願望の鮎子が可愛く見えてくるのもこの映画の魅力だ。 反骨精神をエンターテインメントに昇華して描く GEN TAKAHASHIの映画から目が離せない。 □ 吉野紗香(俳優) 監督の映画を観ると、何処か、暮らしやすい/生きていやすいように、 無視しようとする視点の存在に気付かされる。 私の原点、思想の原点、忘れちゃいけない心のあり方、 それを忘れることは、まるで人間を止めること。 誰もそんな自分に成りたく無いのに。 社会に刷り込まれて行く自分。食い止めようとして、もがき苦しんでも、 生きて行くためにと自らを刷り込ませて行く。 でもその狭間で生きていれば、自分はまだ死んでいないと思え、 でも狭過ぎて身動き取れないことに気付く。 鮎子は、自分でありながら、生きようともがいている。 かっこいいです、GEN TAKAHASHI! □ 土屋トカチ(映画監督) アメリカンドッグ、フライドチキン、肉まん。ジャンクフードに喰らいつく貧困女性。 垢を掬った使い古しの水風呂に浸かり、缶チューハイ片手にスマホを睨み、テロを夢想する。なにが彼女を追い詰めるのか。2025年の日本に、希望はあるのか。 映画を観終わってからも、ずっと考えている。 ©2025-2026 GEN TAKAHASHI/映画の創造

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