事件捜査を装い取り寄せた口座情報を元警察官の行政書士に漏洩(ろうえい)したとして、地方公務員法違反容疑で逮捕された羽曳野(はびきの)署の警部補草川亮央(あきお)容疑者(56)=大阪市西区=について、大阪府警は12日、虚偽の書類で知人の情報を区役所に回答させたなどとして虚偽有印公文書作成・同行使と公務員職権乱用容疑で再逮捕し、発表した。 草川容疑者は「照会文書を作り、回答をもらったことは間違いない」と述べる一方、「業務の目的だった」と一部否認しているという。 監察室によると、草川容疑者は同署刑事課知能犯係で勤務していた2023年12月~昨年1月、50代の知人女性の情報を得るため、虚偽の「捜査関係事項照会書」を作成。区役所などに計5回照会して捜査に必要があると誤信させ、回答させた疑いがある。 草川容疑者が入手したのは女性の個人情報で、漏洩は確認されていないといい、府警は私的な目的だったとみている。容疑者の自宅を家宅捜索したところ、この女性に関する資料が複数見つかったという。 草川容疑者は今年2月、府警の元警察官で行政書士の道沢正克容疑者(68)=奈良県大淀町=から依頼を受け、同様の照会書を金融機関に示して第三者の口座情報を取り寄せ、道沢容疑者に漏らした疑いで10月に逮捕された。 道沢容疑者は草川容疑者に情報を依頼したとして地方公務員法違反で逮捕されている。逮捕時、道沢容疑者は一部否認した。 大阪地検は12日、2人を同法違反の罪で起訴した。 道沢容疑者は12年に府警を退職。2人は贈収賄や詐欺の事件を扱う府警捜査2課で同僚だった時期があり、同じ事件を捜査したこともあったという。(光墨祥吾)