会長が逮捕されても「影響なし」…警察に内通者を抱える違法スカウト集団「ナチュラル」の恐ろしさ

その日、東京地方裁判所412号法廷の被告人席には、警視庁暴力団対策課の元警部補・神保大輔被告(44)の姿があった。 国内最大で″最凶″と称される違法スカウト集団「ナチュラル」の捜査班の中心メンバーでありながら、会長ら幹部の動向を監視するカメラの画像や設置場所などの捜査情報を漏らしたとして、神保は地方公務員法違反で逮捕・起訴された。 2月に開かれた初公判では勾留中に伸び放題になっていた長髪と上下スウェットという疲れた姿が印象的だったが、保釈後に迎えた3月25日の公判には、グレーのスーツにえんじ色のネクタイを締めて出廷。髪も切り揃えられていた。 懲戒免職になり社会的制裁を受けていることも考慮され、執行猶予3年がついた懲役1年6ヵ月の有罪判決となった(求刑は懲役1年6ヵ月)が、言い渡しが終わると、神保は何かに怯えたように何度も傍聴席に目をやった。しきりに誰かを探しているかのようだ。それは一緒に仕事をした警視庁の同僚なのか、あるいはナチュラルの関係者なのか……。 判決言い渡しの前週に行われた被告人質問において、神保は極めて重要な証言をしている。検察官とのやり取りの中で、「他の捜査員も情報を漏洩していた」「別の職員が漏らした情報について、(ナチュラル側から)『これで合っていますか』と聞かれた」などと述べたのだ。 FRIDAYは昨年3月以降、4回にわたってナチュラルの実態について詳報してきたが、その中で神保以外にも″取り込まれている″警察官がいる疑いを指摘してきた。ナチュラルの現役メンバーも、これを裏付ける証言を筆者にしていた。 「警視庁だけでなく、全国の主な警察当局に複数のルートがあります。内通者はまだまだいますので、一人いなくなったくらいでは影響ありません。今も捜査情報は入手できています」 この疑惑は警察当局も把握しており、地方の警察も含めて密かに内部調査が進められたというが、成果は上がらずこのまま終息に向かう可能性が高そうだ。ある警察幹部が声を潜める。 「内通者が神保一人だけだとは思っていない。ただ、確たる証言や証拠がない上に、立件するとなると組織はさらに血を流すことになる。我々幹部の責任も問われる。疑わしいヤツについては異動期に担当から外すなど、うまく処遇するしかない」 神保の逮捕で面目丸潰れとなった警察は公開捜査に踏み切るなど、警視庁が中心になって、なりふり構わぬ頂上作戦を展開。会長の「木山」こと小畑寛昭容疑者(41)を1月26日に東京都暴力団排除条例違反容疑で逮捕した。しかし、取り調べは難航している。 「最初の容疑はスカウト行為を容認してもらう代わりに暴力団にみかじめ料を払ったというもの。その後、複数の女性を風俗店に紹介したとして職業安定法違反で再逮捕を繰り返しているが、本人がほぼ黙秘していることもあり、実態解明にはほど遠い状態だ」(捜査関係者)

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