Netflix『九条の大罪』で話題沸騰、黒崎煌代が体現した“曽我部”圧巻の憑依

Netflixで配信中の『九条の大罪』が好評を博している。本作はNetflixのオリジナル(ドラマ)シリーズで、原作は『闇金ウシジマくん』で知られる真鍋昌平氏だ。 ◆黒崎の演技にSNSが(良い意味で)湧いた 主人公の九条間人(柳楽優弥)はグレーな案件ばかりを引き受けている、弁護士。半グレ、ヤクザとも関係性があることから、影では「悪徳弁護士」とも呼ばれている。ただ当の本人は大して気にしてはいないように見える。そんな九条と共に働くのは、東大卒のエリート弁護士・烏丸真司(松村北斗/SixTONES)。法律とは、正義とはなんなのかを常に自分へ問いかけている。次々と飛び込んでくる厄介案件たちと、ふたりはどう向き合っていくのかを全10話で構成されている。 「おこがましいことを。弁護士は人なんて救えませんよ」 九条はそう言う。飲酒運転によって奪われた命、違法麻薬の密売、性産業に巻き込まれていく女性……どれもドラマ=フィクションであって、遠い世界の事件だと思われがち。でも実際は市井と近距離にあるもので、いつ自分が巻き込まれるのか分からない。この作品は警鐘だと思った。目を背けたくなるシーンもあるけれど、老若男女、観る価値がある。 そんな『九条の大罪』に気になる俳優がいた。第二話の「弱者の一分」から登場する、曽我部聡太役の黒崎煌代だ。 曽我部には軽い知的障がいがある。そのせいもあって、麻薬の密売人の金本に“運び屋”として都合のいいように使われ、金本の罪をかぶって服役した経験もある。それだけではなく、曽我部の父親は金本の父親にも同じように扱われていた。つまり親子そろって人生をいいようにもてあそばれたようなものだ。あまりにも悲しい。ただ善悪の判断が上手ではない曽我部は、再び金本の手玉に取られて再び逮捕される。その弁護を請け負ったのが、九条だった。 「利用なんかされてねえよ! 俺がバカだからって、見下しやがって」 そう漏らす曽我部。急に感情がたかぶったり、下がったり。知的障がいや神経発達症の役を演じるのは、とても難しいはずだ。繊細な存在の彼らを自分に憑依させる行為とは、私たちにもハードルの高さをうかがい知ることができる。そんな役を黒崎煌代はみごとに表現していた。 どこか頼りなげな発声、どもり方、焦点の定まらない視線の動かし方に、震える指先で魅せる仕草。金本に操られていた父親とどこか言動が似ていたのも、演技の一環だったのだろうか。とにかく黒崎の演技は生々しく、観る側に曽我部がいかにやるせない気持ちを抱えているのかを訴えてくる。このインパクトはやはり大きく、配信直後から「あの俳優は誰か」と黒崎の名前を多数挙げていた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする