京都府南丹市立園部小の安達結希(ゆき)さん(11)の遺体が遺棄された事件は安達さんの30代の父親が逮捕される事態に発展した。京都府警は15日、死体遺棄容疑で安達さんの自宅を家宅捜索、親族からも事情を聴くなど捜査を本格化させていた。これまでに判明した事実と父親の説明とに矛盾があるなど不可解な一面も見られる一方、遺体が隠された様子がない状態で見つかるなど全体像が把握しづらい状況となっており、専門家は「計画性が感じられない」と分析する。 府警や同校によると、安達さんが行方不明になった3月23日、父親は午前8時ごろに安達さんを小学校付近まで車で送り届けたと説明したが、周辺の防犯カメラにこうした様子は写っておらず、安達さんの目撃情報もなかった。 捜索では29日、同校から西に約3キロの市内の山中で、親族が安達さんの「ランリュック」と呼ばれる黄色の通学かばんを発見。地元消防団によると、周辺は前日まで計3回捜索されたが、その際には見つからなかった。 4月12日には同校と安達さんの自宅との中間地点にある山中で、府警が子供用とみられる靴を発見。安達さんが行方不明時に履いていた黒いスニーカーと特徴が似ていたが、かばんが見つかった場所とは約5キロ離れていた。翌13日午後4時45分ごろには、安達さんを捜索していた警察官が同市園部町の山林で、遺体を発見。その後、安達さんと確認された。遺体はあおむけに倒れていたが、隠されたような痕跡はなかった。 遺体の発見現場周辺は民家や田畑が点在する地域で人通りは少ない。靴が見つかった場所からは約4キロ、かばんが見つかった場所からは約3キロの距離がある一方、捜索の起点となった同校からは約2キロと最も近かった。 15日に遺体や靴、かばんが発見された現場を実際に巡って確認した関西国際大の中山誠教授(犯罪心理学)は、小学校に最も近い場所で遺体が見つかった点について、「小学校付近で突発的なトラブルがあり、安達さんは死亡したのではないか」と推測する。 予期せぬ事態が起きれば、焦りから遺体をいち早く遠ざけたいという心理が働く。穴を掘る道具も準備していないので、時間を優先して小学校から遠くない場所に遺体を放置し、さらに移動中に車に残された靴に気づいて山林に捨てたと考えるのが合理的だといい、いずれも「不完全な証拠隠滅」だったとみる。