「面白半分」で街は大混乱…韓国のオオカミ脱走騒動を招いたAI偽写真の恐るべき拡散力

【04月29日 KOREA WAVE】「足のない言葉が千里を走る」ということわざがある。韓国では今、AI(人工知能)とSNSを通じて瞬く間に広がるフェイクニュースが、社会システムを脅かす段階に至っている。 大田(テジョン)のオーワールド動物園から4月8日、オオカミ「ヌック」が脱出すると、インターネット上にはオオカミが施設周辺を歩き回っているかのような写真が出回り始めた。写真が拡散すると、大田市は安全に注意するよう呼びかける災害メールを送り、警察と消防当局は捜索範囲を変更した。だが写真はAIで作られた偽物だった。この写真を作成・流布した疑いで検挙された40代の作成者は「面白半分だった」と供述したとされる。 最近は、いわゆる「転送文」の形で「警察官が貨物連帯の車両にひかれた」とする内容もインターネット上で広がった。投稿には、貨物連帯のワゴン車が警察官に突進するように見える映像も添えられていた。急速に拡散したため、警察庁は22日、「フェイクニュース」とする公式見解を出した。映像は過去の別の場面で、警察官を踏みつけて通過した事実はなかった。 2025年には、ユーチューブチャンネル「巡察24時」に、112番通報を受けた警察が現場に出動する様子をボディーカメラ視点で撮影したかのような映像が投稿された。逮捕の瞬間や集会現場を直接撮影したように見える生々しい映像で、投稿数は54本に上った。だがこれも実際に撮影された映像ではなく、AIで作られた偽物だった。映像を作ったユーチューバーは2026年1月に拘束された。 かつてのフェイクニュースは、いたずら電話やうわさを広める個人的な逸脱に近かった。だが最近は、警察や消防が実際に出動する事例が相次ぎ、国家行政や経済まで揺さぶる様相を見せている。 ニュース1の取材を総合すると、2025年11月にはX(旧ツイッター)上に、海外株式の譲渡所得税率が引き上げられるなどとする大統領名義の偽談話文が3回にわたり投稿された。流布した人物は検挙されたが、一時的に投資家の混乱は避けられなかった。 中東戦争に関する虚偽情報もオンライン上で急速に広がっている。「原油90万バレルが北朝鮮に流入した」「緊急財政命令により政府がドルを強制売却させる」といった刺激的な虚偽情報が無秩序に拡散し、不安心理をあおっている。 フェイクニュースが公権力の浪費と社会的費用の増大につながっているとの指摘が相次ぐ中、捜査当局は本格対応に乗り出している。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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