熊本・八代市議をあっせん収賄容疑で逮捕 6000万円授受か

熊本県八代市が発注した新庁舎建設工事を巡り、準大手ゼネコン「前田建設工業」(東京都千代田区)が受注できるよう働きかける見返りに現金6000万円を受け取ったとして、警視庁と熊本県警は7日、あっせん収賄容疑で八代市議の成松由紀夫容疑者(54)ら2人を逮捕した。関与が疑われる市内の土木工事会社代表(61)についても、任意で事情を聴いている。逮捕前の取材に対し、成松容疑者は賄賂の受け取りを否定していた。 八代市役所は旧庁舎が熊本地震(2016年)により使用困難になり、復興の一環として総事業費171億円で新庁舎が建てられた。かねて業者選定の経緯や事業費の妥当性に疑惑があり、市議会が調査を進めてきたが、汚職事件に発展したことで震災復興が「食い物」にされたとの見方が強まるのは必至だ。 捜査関係者によると、他に逮捕されたのは、元市議の松浦輝幸容疑者(84)。収賄罪の対象となる公務員ではないが、前田側が成松容疑者に賄賂を手渡す場に居合わせたとみられ、「身分なき共犯」に当たると判断された。 ◇口利きの見返り「6000万円」か 逮捕容疑は、新庁舎建設工事を前田建設工業が落札できるようにするために入札方式を指定したうえで、19年6月ごろ、市が業者を選ぶための評価基準に同社が作った案を使うよう市幹部に指示。さらに、前田の利益を増やすため、前田に支払われる代金は据え置いたまま、工事の数を減らすよう市幹部に働きかけたとされる。その見返りとして21年6月上旬、松浦容疑者宅で前田側から現金6000万円を受け取ったとしている。 関係者らによると、前田側は、工事で自社の利益が11億円増えるように依頼し、成松容疑者は請け負った前田がやるべき工事の一部を別会社に発注し直させるなどの手法を市幹部に指示したとみられる。社内調査で現金供与を把握した前田建設工業が26年1月に警視庁へ情報を提供し、捜査協力を申し入れた。社員らは任意聴取に現金を渡したことを認めたが、既に贈賄罪の時効(3年)が成立している。【野呂賢治、長屋美乃里、金将来、志村一也】

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