本記事は『地図と拳』で第168回直木賞を受賞し、『君のクイズ』が映画化されることでも話題の作家・小川哲氏の初エッセイ『斜め45度の処世術』から一部を抜粋したものです。 ■自称“グルメ”に注意 「グルメ」を自称する人が苦手だ。 「美食家」も同じで、やっぱり苦手だ。「僕、グルメなんですよ」と口にする人がいたら、その場で張り倒しはしないけれど、「あ、ああ……」みたいな感じで少しゲンナリする。 たとえば「おいしい食べ物が好き」なら構わない。というか、僕だっておいしい食べ物は好きだ。しかし、グルメというステータスには、食べ物の質をジャッジする能力みたいなものが付随しているような気がする。