中3少女、手足拘束され監禁で衰弱か 虐待容疑の両親と兄を逮捕

15歳だった少女の手足には、金属製の拘束具が付けられていた。 家族と暮らす自宅なのに、閉じ込められ、少女は衰弱した。室内の見守りカメラや、家族のスマートフォンには、そうした「監禁」の様子を映した動画が残っていたという。 1月、少女が冷たくなって病院に運ばれるまで、周囲の誰も手を差し伸べることがなかったとみられている。 ◇上半身には骨折痕も、虐待常態化か 中学3年生だった娘の手足を拘束して押し入れに閉じ込め、衰弱させたとして、警視庁捜査1課は12日、東京都町田市の40代両親と20代の長兄を逮捕監禁致傷容疑で逮捕した。捜査関係者によると、被害少女は3年間ほとんど中学校に通っていなかったといい、上半身には骨折の痕や複数のあざがあった。警視庁は、家族ぐるみの虐待が常態化していた可能性があるとみて調べている。 事件は1月28日夜、母親から「娘が冷たくなっている」と119番があり発覚した。少女は低栄養状態だったとみられ、意識がもうろうとした状態で搬送された。児童相談所に一時保護され、現在も入院中という。 ◇母親「しつけのためだった」 搬送後の捜査で、自宅内の「見守りカメラ」に少女が押し入れに閉じ込められる様子が映っていたことが判明。押し入れは中から開けられないよう、外側に鍵がかけられていた。また、少女の手足には金属でできた手製の拘束具がつけられていたという。 警視庁は通報翌日に20代の次兄を傷害と逮捕監禁容疑で逮捕。押し入れは2025年9月ごろに監禁場所として使われ始めたとみられ、母親は逮捕前の聴取に「しつけのためだった」と話したという。 今回の逮捕容疑は1月下旬の数日間、自宅の押し入れに中学3年生だった少女(16)を閉じ込め、背中の床ずれや低体温症にさせたとしている。容疑について、母親は「違うところもある」、長兄は「何も言いたくない」と供述し、父親は「事実はあった」と話している。 ◇児相に2度通報も、安否確認されず 虐待の疑いに周囲は気付けなかったのか。 少女の衰弱により119番通報が入る2日前と4日前、最寄りの東京都町田児童相談所には少女への虐待を疑う通報が2度あった。そもそも少女は中学入学後、学校へほぼ全く通っていなかった。 しかし児相が初めて少女本人に接触して安否を確かめたのは、搬送翌日の1月29日だった。厚生労働省は18年、相次いだ虐待死亡事件を受けて「虐待通告から48時間以内の安全確認」を徹底するよう児相に求めていたが、今回はルールが守られていなかったことになる。 ◇専門家「学校の認識、問われる」 元児童相談所長でNPO法人「児童虐待防止協会」(大阪市)理事の津崎哲郎氏は、「生徒が3年間来ない理由や家庭状況について、学校側がどう認識していたかが問題だ。周囲から虐待に気付かれないまま事件になってしまったのではないか」と話す。 津崎氏によると、児相は学校側とのやり取りを踏まえて緊急性を判断するため、仮に虐待通告があっても「48時間を超え、時間をかけて対応するケースもある」という。 町田市教育委員会は、学校の対応について「事案として把握しておらず、答えられない」と回答。都町田児相も「立て込んでいて、すぐには回答できない」としている。【朝比奈由佳、松本ゆう雅、林帆南】

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