福士蒼汰が主演を務める連続ドラマ「東京P.D. 警視庁広報2係」(フジテレビ系)season2がFODで独占配信中(以下、ネタバレ含みます)。5月12日に配信開始となった第6話(最終回)では、ある人物の暗躍が判明。謎を残すラストに、視聴者から「season3をぜひお願いしたい」と続編を希望する声が相次いでいる。 ■前回のあらすじ 同時期に発生した国家公安委員長刺殺事件とバラバラ遺体事件は繋がっていた。 受験で苦しんでいた時に自己啓発セミナー団体“新生自尊の会”と出会い、のめり込んだ末にすべてを失った丸井秀夫(小笠原海)。最初は復讐として代表・八重津太平(栗田芳宏)を襲撃しようとしていたが失敗に終わり、標的を“新生自尊の会”と長年癒着関係だった国家公安委員長・葛城誠二(宇納佑)に変更した。 そんな丸井を必死に止めようとしていたのが、同じく“新生自尊の会”の会員で、バラバラ遺体の被害者・冴島康太(柏原収史)だ。会員の集会で出会って以降、丸井のことを気にかけていた冴島。その正体は“新生自尊の会”の摘発に向け、潜入中だった警視庁公安部の捜査官だった。 冴島は丸井に協力を求めたが、信頼していた人の裏切りに耐えられなかった丸井は冴島の正体を“新生自尊の会”にリーク。その結果、冴島は会員の箕輪美喜江(丹生明里)らに殺害され、丸井は葛城への襲撃計画を実行したのである。丸井の“告白”により、事件の全貌が明らかになったと思われたが…。 ■事件の全貌が明らかになったと思いきや、残る疑問も 今回の事件には、もう一つ不可解な点が残る。それは、丸井が葛城を襲撃した当日の警備体制だ。丸井は取り調べで、「僕ははじめ、この計画が成功するとは思っていませんでした」と語る。まずもって、丸井の計画を知っていた冴島が警視庁にそのことを報告していなかったはずがない。 実際、丸井は事件の3日前に葛城の応援演説を見に行った際に、現場の警官から職務質問を受けていた。しかし、事件当日は特に警戒されておらず、葛城についていたSPの数も少なかったことから、丸井は「今しかない」と襲撃を実行したという。 なぜ、事件当日だけ警備体制に不備があったのか。疑問に思った今泉麟太郎(福士)、安藤直司(緒形直人)ら広報課2係一同は警備部に話を聞きに行くことに。そこで活躍するのが、2係の担当管理官・下地和哉(正名僕蔵)だ。 普段はゴルフの話ばかりしており、頼りない印象を受ける下地だが、実は元警備部の機動隊中隊長という経歴を持つ。ゆえに下地を連れていくと、あっさり警備日報を確認することができた。 それによると、やはり丸井は危険人物と見なされており、現場から警備の強化要請も出されていたようだ。だが、要請後も警備が強化されていた様子はない。さらに下地が警備部長から巧みに話を聞き出した結果、警視総監・藤原剣治(吹越満)総監の判断で「警備体制は今のままでいい」という指示が出ていたことも判明した。そのことを受け、今泉は安藤とともに藤原のもとを訪ねる。 ■それぞれの正義が招いた一つの悲劇 22年前、“新生自尊の会”の一斉摘発に踏み込もうとしていた公安。その指揮を取ったのが、公安総務課の課長・藤原だった。しかし、当時、警備局公安課長だった葛城の横槍が入り、摘発は直前で中止に。藤原は今泉たちに「あの日の屈辱を一秒たりとも忘れたことはない」と話す。 藤原にとって、八重津の逮捕は悲願。だが、国家公安委員長である葛城が“新生自尊の会”を守っている以上、それは困難に近い。ゆえに、藤原は葛城の殺害を看過したのだ。「私は警察のために、この国のために、仕事をしたまでだ」と平然と言い放ち、自分の行いを正当化した藤原。けれど、一人になった途端、その表情に“後悔”の色が浮かぶ。 冴島康太、本名・片岡正人は藤原の腹心の部下であり、彼に“新生自尊の会”への潜入を命じたのも藤原だった。藤原を尊敬し、また藤原が22年前に味わった屈辱を知っていた片岡が、その命令を拒否する理由はなかったのだろう。「世の中のためにこの先の人生を尽くせるのなら、私の本望です」と片岡の名を捨て、冴島康太として生きる道を選んだ。 そんな彼は、自分が“新生自尊の会”に消されるかもしれないことをどこかで察していたようだ。藤原に遺したビデオメッセージには、「職務を全うできず、申し訳ございません」と謝罪の言葉が綴られていた。 苦悶の表情を浮かべながら、そのビデオメッセージが収められたメモリーカードをへし折った藤原。それは、片岡が二度死んだことを意味する。一度目は冴島康太として、二度目は片岡正人として。 人生が破滅するきっかけとなった“新生自尊の会”に復讐し、自分のような被害者を再び生まないためにも葛城を襲撃した丸井と、信者を扇動して様々な事件を起こしたばかりか、政治家までも取り込んで国のあり方を歪めた“新生自尊の会”を潰すために丸井の計画を黙認した藤原。どちらも、己の正義に従って行動したに過ぎない。 またその結果、八重津は逮捕され、“新生自尊の会”と政治家の癒着も世間に明るみとなった。リーダーと、葛城の後ろ盾を失った“新生自尊の会”は解散の一途を辿っていくはずだ。丸井と藤原の目的は果たされたが、代わりに大切な人を失った。その後悔を、2人は一生背負っていくことになるだろう。 ■事件の裏で暗躍していたまさかの人物とは?season3を希望する声も続々 一連の事件に関する記者会見の直前、「少しよろしいですか」と藤原を呼び出した安藤。思えば、彼もまた“新生自尊の会”絡みで腹心の部下を亡くしている。ゆえに藤原の悔しさや悲しみを最も理解できるのは安藤ではないだろうか。2人が何を話したのかは分からないが、藤原は丸井による葛城襲撃を食い止められなかったことへの責任を取り、総監を辞任することを記者会見で発表した。 一方で、公安部の捜査官が“新生自尊の会”に潜入していたこと、その捜査官の報告で今回の事件が起きる可能性を知りながら、上層部がそれを黙認したことについては秘匿された。世間に明るみとなれば、警察組織が崩壊しかねない一大スキャンダルゆえに、それも致し方ないことなのかもしれない。 だが、今泉は大事な真実を隠すことに納得がいかなかった。season1で広報として様々な事件を経験し、その役割を分かったつもりでいた今泉だが、season2の一連の事件で再び迷宮に入る。しかし、広報として何をすべきか、何が正しくて、何が間違っているのかと事件のたびに立ち止まり、迷えることこそが、彼の“正義”なのではないだろうか。そして、その“正義”を藤原は信じることにしたのかもしれない。藤原は「警視庁を頼む」と今泉に託し、警視庁を去っていった。 昇進試験に臨む今泉が、面接官から「警視庁広報とは、どのような仕事だと思いますか?」と問いかけられるところで幕を閉じたseason2。キリよく終わったと見せかけ、この物語は一つの謎を残している。 藤原総監の辞任に伴い、現職の警備部長も責任を取って辞任することに。代わりに新たな警備部長となったのは、なんと広報課長の真部正敏(本多力)だった。もともとVBXテレビが事件当日の警備体制の不備について情報を掴んでいたが、記者の稲田裕司(金子ノブアキ)と取引を行い、報道を止めさせた真部。 また、片岡から藤原へのビデオメッセージが収められたメモリーカードを、フリー記者・中山(永嶋柊吾)から買ったのも彼だったことが判明する。車内で遺体で発見された中山の死因は自殺とされているが、果たして。「最初から後任を狙ってたんじゃないですか?」という稲田の言葉を否定しつつも、警備部長という肩書きに不敵な笑みを浮かべた真部の闇は暴かれる日が来るのだろうか。 視聴者からは「ドラマの域を超えて、映画?リアル?って思うくらいに壮大で、毎回いろんなことを考えさせられた」「season2もそれぞれの正義を貫いてた話だったし、今泉の成長物語でもあって、終わり方まで硬派でかっこよすぎる〜〜〜」「警察、報道、視聴者、ありとあらゆる角度から事件を俯瞰できてリアルの事件の見方や考え方も変わった」「個人的には、昨年、今年の中で一番素晴らしいドラマだったと思います」と絶賛の声が上がるとともに、「めちゃくちゃseason3匂わせてるよね?」「これはもう続編、そして映画化ありきのラストだと感じた」「余白のある最終回で、この素晴らしい作品のseason3をぜひお願いしたい」「どういう形でもいいからまた東京PDに会いたいです」と続編を希望する声が相次いだ。 ■文=苫とり子