「ゾンビタバコ」などと呼ばれる指定薬物のエトミデートを使用したとして、医薬品医療機器法違反の罪に問われた元広島の羽月隆太郎被告(26)は15日、広島地裁で開かれた初公判で起訴内容を認めた。即日結審し、地裁は拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑拘禁刑1年)の判決を言い渡した。また、被告が「周囲にも吸っているカープの選手がいた」などと発言したことを受け、球団は週明け18日にも再調査を開始する。 「ゾンビタバコ」などと呼ばれる指定薬物のエトミデートを使用したとして、医薬品医療機器法違反の罪に問われた元広島の羽月被告の裁判は、初公判で結審した。 井上寛基裁判官は判決理由で「よく眠れるからという理由で安易に使用し、違法性を知ってからも1日に複数回使用するなど、指定薬物に対する親和性が見られる」と指摘。一方、反省の態度が見られるとして執行猶予を付けた。 検察側は公判で、被告は不眠で悩んでおり、昨年春ごろに「シーシャ」として知人から紹介され使い始め、これまでに100万円分近く買っていたと指摘した。 判決などによると、2025年12月16日ごろ、医療以外の用途で若干量を自宅で使った。被告は今年1月27日に広島県警に逮捕、その後起訴され、球団に契約を解除された。 公判で起訴内容を全面的に認めた被告。被告人質問では、エトミデートの違法性や選手生命への影響について認識していたとした上で、「周囲にも吸っているカープの選手がいた」と証言し、「甘い考えがこういうことになってしまって、自分自身で正しい判断をするべきだったと反省している」と述べた。 被告の発言を受け、広島の鈴木清明球団本部長は「そういう証言が出たので、再調査します。聞き取り調査をします」と話した。調査は球団全選手を対象とし、早ければ週明けの18日から実施する方針。同本部長は「時間をかけてやる」とした上で、調査結果については「公表はしないと思う。捜査機関じゃないので。できることはします」と話した。甲子園での阪神戦後に取材対応した新井監督も「再度ヒアリングをすると球団から聞いている。それ以上は今の段階では言えない」と話すにとどめた。 球団は羽月被告が1月に逮捕された際にも一度、聞き取り調査を実施。だが被告が初公判で“暴露”したことにより、再び対応に追われる事態となった。 ▽エトミデート 使用直後から激しいめまいや、手足の震えなどが起きる。立ち上がろうとしても体が硬直する、フラフラと真っすぐ歩けない様子などが“ゾンビ”を連想。近年は、液体を加熱して蒸気を発生させる電子タバコで吸引できるリキッド状になっていることから「ゾンビタバコ」と呼ばれる。国内では10~20代の若者を中心として特に沖縄県で逮捕者が続出し、手軽な入手ルートも問題になっている。 ≪羽月被告巡る経過≫ ▽1月27日 指定薬物のエトミデートを使用したとして、医薬品医療機器法違反の疑いで羽月容疑者を逮捕。羽月容疑者は「使った覚えはありません」と容疑を否認。 ▽同28日 球団が羽月容疑者に活動停止の処分を下したと発表。 ▽同29日 広島県警が羽月容疑者を送検。 ▽同30日 広島県警がマツダスタジアムほか関係先を家宅捜索。 ▽2月6日 羽月容疑者が、エトミデートの使用を認める趣旨の供述を始める。 ▽同17日 広島地検が羽月容疑者を起訴。 ▽同18日 羽月被告が保釈。 ▽同25日 球団が羽月被告との契約を解除したと発表。