「私たちは刑事です!」――古谷一行×木の実ナナのバディが夫婦のふりをして大活躍するお色気サスペンスドラマシリーズ「混浴露天風呂連続殺人」をご存知だろうか?警視庁警部・左近太郎(古谷)と警部補・山口かおり(木の実)の名刑事コンビが、全国各地の温泉地で起こる事件解決に奔走する姿を描き、約25年続いた大人気シリーズだ。 同シリーズが、6月1日(月)朝9時30分より毎週月曜〜金曜にCSホームドラマチャンネルにて放送される。これを記念して、「混浴露天風呂連続殺人」シリーズが長年ファンに愛され続けた理由を3つに分けて紹介したい。 ■古谷一行×木の実ナナ、夫婦のようなテンポが良い掛け合い まずはなんと言っても、左近×かおりの小気味良い掛け合いが最大の魅力だろう。事件解決のため、毎度お約束のように“夫婦のふり”をして温泉旅館に潜入する2人。お互いに気はありそうだが決してくっつくことはない絶妙な距離感は、この関係性でしか味わえない“快”と“楽”がある。熟年夫婦さながらの息の合った凸凹コンビっぷりと、小気味よいボケとツッコミの応酬は、観ていてとにかく実家のような安心感もあって心地良い。 この2人をはじめ、あまりにも雑な理由で逮捕しようとする刑事の同僚や上司とのお互いに舐めた掛け合いなどコミカルに振り切った内容かと思いきや、物語の根幹には本格的なサスペンス要素もしっかりと詰まっている。痴情のもつれなどが原因のシリアスな殺人事件は心理描写も巧みだ。そんなねっとりとドロドロした事件を扱っていながら、左近×かおりのカラッとした関係性とユーモアが良い塩梅で絡み合うからこそ、作品全体が重くなりすぎず、気軽に何度でも観たくなるエンタメに仕上がっている。 ■ここまでいいの!?コンプラなしの過激な混浴お色気 タイトルに偽りなし。毎話必ず、冒頭のダイジェストからこれでもかと盛り込まれる“混浴露天風呂”での大胆なお色気シーンは、まさにこのシリーズの代名詞。 現在の地上波ドラマでは絶対にお目にかかれない。というより、今の配信限定作品でもここまではできないだろう。昭和〜平成初期ならではのコンプライアンス度外視の過激な演出は、平成生まれの筆者にとっては度肝を抜かれた。当時の世代の視聴者が今見たら逆に新鮮に映るのかもしれないが、この時代を知らない世代にとっては、もはやドラマでここまでいいんですか!?R指定は…?と慄くほどの肌色の多さと攻めた男女の絡みに圧倒される。 ナイスバディな美女たちの艶やかな入浴シーンとサスペンスの緊張感が絶妙に同居する、あの時代だからこそ作れたお色気路線の尖りっぷりは、シリーズに欠かせない強烈なスパイスだ。 ■全国各地の温泉地を巡る“擬似旅行”体験 事件の舞台となるのは、北は北海道から南は九州まで、実在する日本全国の名湯・秘湯ばかり。セリフの中には各地域の豆知識なども入っているため、地味に興味深くて面白い。ドラマを観ているだけで、その土地の美しい景色や温泉旅館の風情、さらには贅沢なご当地グルメまで堪能できる“旅情ミステリー”としてのクオリティが非常に高いと言える。 温泉地そのものは時代による変化が少ないため、令和の今観ても古さを感じずにリアルにその特徴を楽しめる。ただ本シリーズでの混浴スタイルは今の時代、どこに行っても決してないと言い切れるが(笑)。いつの時代も変わらず、おうち時間を過ごしながら全国の温泉地を巡るような“擬似旅行”をのんびり味わえるのも、本作が今なお色褪せない大きな要因と言えるだろう。 擬似夫婦の刑事バディ×重厚なサスペンス×混浴お色気×全国の温泉体験と1話の中に魅力的な要素がギュギュッと詰まった「混浴露天風呂連続殺人」シリーズ。古谷一行×木の実ナナの擬似夫婦バディと一緒に温泉地を巡りながら、全国津々浦々の男女の痴情のもつれと対峙してみてはいかがだろうか。 構成・文=戸塚安友奈