斎藤工にとっての“負けられないアツい戦い”は? 塩野瑛久はシャクティマットとの激闘を告白

有村架純、黒木華、南沙良が共演した映画「マジカル・シークレット・ツアー」の公開記念舞台挨拶が6月22日、丸の内ピカデリーで行われ、キャストの斎藤工、塩野瑛久、天野千尋監督が登壇した。 本作は、主婦たちが“金の密輸”に手を染めて逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナル作品。夫の横領と解雇を知り、突然借金を背負った二児の母・和歌子(有村)、奨学金の返済に追われる借金600万円の研究員・清恵(黒木)、貯金ゼロの未婚の妊婦・麻由(南)。犯罪とは無縁そうに見える3人が偶然出会い、“金の密輸”の闇バイトを通して、絆を深めていく姿を描く。 映画上映後、大きな拍手とともに登場した斎藤は、「この映画に少しだけ参加している斎藤工と申します。こんなきれいな方達に挟まれて申し訳ない気持ちでいっぱい。ちょっと人前に慣れていないもので……」と自身のワイルドな風貌を冗談めかし、会場は大笑い。続く塩野も、自身の役柄が、横領と解雇を妻に隠していた主人公の夫という役柄だったということで、「皆さん、今日は映画をご覧になった後ということで、そんなに好かれていないキャラクターふたりが登壇する、という感じだなと思うんですが……お手柔らかにお願いします」と続け、会場を沸かせた。 斎藤は天野監督とのタッグについて、「(天野監督が脚本を担当した)『ヒヤマケンタロウの妊娠』でご一緒させていただきました。天野監督の過去作の大ファンでもありましたし、やはり監督の視点というのが、新しい感覚や価値観、視点をいただけるということで。しかもこの作品における男性の描かれ方というのが爽快でした。その中で僕は、不貞担当なのか、男性性の膿のようなものに対する役割をいただいたと思っていて、それが爽快さにつながっているのかなと思っています」と述懐。 塩野も、「僕も天野さんが脚本で携わったドラマに参加させていただいて、そこでご一緒させていただいたので、このお話を聞いてからもやる気満々で挑みました。肩をぶん回していたけど、なかなか高志という役がつかみ所がなくて。そこは監督とも相談をしました」と続けた。 天野監督もふたりに対する絶大な信頼を口にする。 「斎藤工さんは、これまでにも色々な作品を拝見させていただいてきましたし、私の作品(『ヒヤマケンタロウの妊娠』)では、ハイスペックなエリートサラリーマンが急に妊娠してしまい、母乳が染み出てきてあたふたするという、絶妙なバランスの芝居を完璧に演じてくれました。単なるコメディの面白さではなく、ヒヤマという人間をこんなにも面白くしてくれて。翻弄されるお芝居を観ていたので、今回の映画でも田ノ上というキャラクターが、ただの嫌な奴に留まらず、人間性を持ったキャラクターにしてくれると思いました」 さらに塩野が演じた高志についても、「塩野さんはわたしが脚本を担当した『天狗の台所』でクールで頼れる兄貴分を演じていましたが、一方で『無能の鷹』で見せたような、情けない男の芝居が本当に面白い。このビジュアルなのに、そういう役は面白いなと思って拝見していました。高志というキャラクターを考えたときに、ただ高圧的なだけでなく、実は自分の弱さを隠している人物という深みも見せたかったので、この塩野さんのクールなビジュアルだからこその面白さを引き出してくれるんじゃないかと思ったんです」と全幅の信頼を寄せている様子だ。 劇中では、斎藤演じる田ノ上が会社の中で情事を行っているところを、主人公の和歌子に目撃されてしまう、というシーンがある。このデリケートなシーンの撮影においては、斎藤の提案により、インティマシー・コーディネーターが導入されたことが明かされた。斎藤は、「今回、役作りに関しては監督に委ねたのですが、その中でデリケートな描写のシーンでは、インティマシー・コーディネーターを入れていただくことができました。天野監督も僕の提案に前向きに受け止めていただいたので、安心して委ねることができました」と称賛。この言葉を受け、天野監督も、「斎藤さんに提案していただけて本当に助かりました。身体的な接触はありますし、精神的にデリケートな距離感だったので、専門家の方に入っていただいた方が私自身も安心できました。何より俳優の皆さんに安心してカメラの前に立ってもらえる。お願いして本当に良かったと思っています」と振り返った。 現在、世間で盛り上がっているサッカーW杯での熱い戦いにちなみ、「今、自分の中で負けられないアツい戦いは?」というテーマでフリートークを展開。ここで斎藤は、「わたし、今年の7月と8月は物理的にロケをしません、と公表しています」と、猛暑との戦いを明かす。「これは少しまじめな話になってしまいますが、俳優も監督も、すべてのスタッフがこの季節にロケをするべきじゃないなと思っていて。夏の現場で、機材のバッテリーを冷ますための時間というのがあったんですよ。でもそれはバッテリーだけでなく、スタッフさんにも起きることですから。それでもスタッフさんは現場があれば、稼働せざるを得ない。そうしたことがスケジュールを管理する人に届いたらいいなと思っています」と真摯にコメントするも、「でもけっきょく7月、8月もロケが入ってしまいました……どうしたらいいですかね」と苦笑。会場もそのメッセージに深くうなずいていた。 一方、同じテーマに対して塩野が答えたのが、「自宅にある『トゲトゲのシャクティマット(ツボ押しマット)』です。これ、けっこう鋭利でなかなか痛いんですよ。でも効能としては10分、20分と横になっていると、だんだん身体がポカポカと温まってきて、自律神経が整ってぐっすり眠れるんですが、何せ痛い。5分くらいで『もうやめようかな……』と思うんですが、10分、20分たつと慣れてくるので、5分、10分くらいは戦っています」と明かす。 このエピソードにシャクティマット愛好家だという天野監督も、「そう、拷問じゃないかと思うくらい痛いんですよね。でもすごくぐっすり眠れます」と深く共感している様子。塩野も「でもせっかく買ったんで……」と締めくくり、会場を大きな笑いに包んだ。 イベントも終盤となり、登壇者を代表して斎藤からメッセージが送られた。「これから寝苦しい夜が続くと思いますが、皆さんもトゲトゲマットを取り入れてみてはいかがでしょうか」と軽妙に会場に呼びかけると「僕もサッカーが好きで、ワールドカップを観ているんですけど、同時に、この期間、映画館という場所で勝負している映画もたくさんあります。映画監督たちによる、2時間という戦いをぜひとも観戦し、応援してください。今は直接の口コミこそが、最も信頼できると思っているので。この『マジカル・シークレット・ツアー』に心動かされるものがあれば、大切な人にこの作品のことを伝えていただけたら嬉しいです」と会場に呼びかけた。

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